#2 陰陽五行思想から考えられる身体の相互作用の考え方

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陰陽五行思想と聞いて思い浮かべるのは、『東洋医学のなんかでしょ』とか『科学的根拠のないちょっと胡散臭いもの』であったりとかよく実態がわかられていないことが多くあります。僕自身も昔に理学療法士の学校を通い、全くこのような言葉には触れずに卒業を迎えました。しかし、実際に人の体を診ていく中で、どうしても西洋学的な考え方では解決できないような問題にぶち当たります。また、なぜかわからないけど、なかなか治らなかった病気や怪我が季節が変わったら治ってしまうこともあったりと出会すことがあります。このような時には陰陽五行思想を知っていることで、ヒントを得ることができるようになります。

歴史を振り返ってみると、お医者さん達は西洋医学が発達する前の時代には西洋の人たちも含めて、実際に患者さんの体を触ったり、顔色を見たり、声の変化を聞いたり、臭いで体の状態を確認したりと検査をしていたと聞いたことがあります。

しかし、現代の西洋医学では、このような主観的な検査は排除されて、全て数値でみるようになってきました。これ自体悪いことではないのですが、ここで言えることは昔からやられてきた主観的な検査法も時によっては、数値で出ないような症状の問題を解決するためや患者さんの状態を把握する上で、とても重要になってくるということです。

理学療法士やスポーツトレーナーとしても、実際に体に触れて、患者さんや選手の顔色やコミュニケーションをとり治療やマッサージ、エクササイズなどをしていきます。そのため、上記で述べたような陰陽五行思想を知っていることだけでも俯瞰的な見方で体の状態を知ることがよりできるようになります。

本記事では、陰陽五行思想を実際に知ることで身体にどのような相互作用が起きているのかを個人的な見解から解説していきます。

目次

  • 陰陽五行思想から考えられる身体の相互作用の考え方
  • 陰陽論の考え方
  • 五行論の考え方
  • まとめ

陰陽五行思想から考えられる身体の相互作用の考え方

陰陽五行思想
陰陽五行思想とはもともと中国の紀元前221年前ごろからある陰陽説と五行説の2つを掛け合わせた思想であるとされています。紀元前にもなるので2000年以上の前の話ということでびっくりしますし、その当時からずっと引き継がれている考え方になるのも驚きです。実はこの陰陽五行思想は私たちの身近なところにもよく使われています。例えば、生まれの年として表現される干支もこの思想と密接に関係していたり、占いなども元を辿れば陰陽五行思想から作られたとも言われています。

陰陽とは簡単にいうと自然界のバランスを意味し、表裏であったり、太陽が出て明るくなり、太陽が沈んで暗くなることも陰陽で表すことができます。実際の体では、寒くなれば顔が白くなり暑くなれば顔が赤くなることや便がでなくなったり下痢をすることもこの陰陽のバランスで考えられることになります。

五行とは自然界の木、火、土、金、水の5つのエレメントから物事を捉える考え方になります。このエレメントは、人間の各臓器にも関連しており、肝臓・胆嚢は木、心臓・小腸は火、胃・脾臓は土、肺・大腸は金、腎臓・膀胱は水と関連があると言われています。これは昔の解剖学が発達する前の考え方でもあるので現在の臓器の名前と一致する可能性は100パーセントではないとも言われています。

この五行の考え方で面白いのは、5つのエレメントがある法則によって他のエレメントを補ったり、剋したりすることがあるということです。そのため各臓器の状態によって、臓器同士がお互いに影響しあったりもしたりします。また、各臓器が人間の感情とも関連するとも言われていて、肝臓の機能が低下、もしくは過剰に働きすぎている場合には怒りっぽくなったりすることもあるとされていて非常に面白い考えだなと思います。

さらに各臓器は筋肉とも関連があるとされており、内臓の機能状態によってはある特定の筋肉が機能低下を起こすともされています。この五行の考え方を取り入れるともしかしたら筋肉同士がどのようにお互いに作用しあっているのかを考えることができる可能性もあります。

陰陽論の考え方

陰陽論は、どのようなものにもバランスが大事であることを伝えていると解釈しています。スポーツトレーナー の視点で体に関しての陰陽を見ることもできます。体の表側(お腹側)が陰、そして後側(背中側)が陽とされていて、表側を手で強く擦ったり、触ったりするとくすぐったかったり、嫌な感じがしますが、後側の方は表側と比べてそこまで嫌な感じがしないと思います。

また、腿の内側と外側も同じようなもので、内側の方が触られると嫌な感じがします。これは陰の性質を持った方が肌が弱く、筋肉も敏感であることを示し、陽の性質を持っている側の方が強いことがわかります。そのためこのような性質をわかっているとマッサージや治療をするときの体の部位の触り方を変えて行うこともできますし、表裏のバランスを意識して身体の状態を見ることができるようになります。このようなことは西洋医学ではあまり語られない面白いところだと個人的には思っています

五行論の考え方

五行論は、木、火、土、金、水の流れで影響し合います。

例えばですが、水のエレメントは腎ですが、肉体の活力、性的エネルギーとも関係していて、肉体労働が多くなってしまうと腎が疲労してきます。このことで、腎が木のエレメントである肝に影響を与えて、体の血流の流れを悪くしたり、怒りっぽくさせたりしてしまいます。これは簡単に想像できると思いますが、疲れていると怒りっぽくなるのは当たり前ですよね?これが五行論でも説明できるということです。

続いて、説明すると怒りっぽくなた後は、気分を発散させようと堕落や快楽を求めるようになり、この性質は火のエレメントである心の特徴でもあります。そして、快楽を求める結果として、甘いものを食べたくなる衝動にかわれます。これが土のエレメントの脾の特徴です。

さらに甘いものを食べすぎると胃の周りが硬くなってしまって、呼吸に関係する横隔膜の動きが悪くなります。呼吸は金のエレメントである肺と密接に関係しています。肺の機能が低下すると体に十分な酸素を取り入れることができなくなり結果として疲れやすい体になってしまいます。そして、これが最初に説明した腎の水のエレメントになります。

これらは一つの例ではありますが、木→火→土→金→水→木の順番で起こり得る身体の反応になります。

まとめ

陰陽五行論のまとめ
陰陽五行思想を理解することで、西洋医学ではわからないような問題のヒントを考えることができるようになります。これらは、理解して知識を高めるだけでなく経験を積むことでより精度が磨かれることでもあるので、たくさんの症例を診ることで技術が磨かれていきます。

そして、ある意味人間らしく人と関わる上でもこの陰陽五行思想はとても面白く役に立つなと考えています。スポーツトレーナーとして、幅広い視点で人と関われるようになることを目指している方は是非参考にして、陰陽五行思想を勉強してみてください。今までにないいろいろな発見を見つけることができると確信しています。