#34 トレーニングの質を上げるために意識する3つの身体の部位

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最近では、YouTube やインスタグラムなどでもさまざまなパフォーマンスを上げるためのトレーニング方法を見ることができるようになってきました。

さまざまな競技の一流のトップ選手であってもそこまで特別なトレーニングをしているやけではなくスクワットや腹筋運動など基本的なおレーニングをしているケースもたくさんあります。

その選手の努力の量がすごいことや休憩の仕方がうまいことなどによって他の選手との差をつけていることで一流に上り詰めた場合があります。

しかし、それだけではなく同じトレーニングをしていても身体の使い方のうまいことでトレーニングの質がかわり、その結果として競技のパフォーマンスが上がるトレーニングをしている選手も多く存在します。

本記事では、どこの身体の部位に意識して行えば身体の使い方がうまくなり、トレーニングの質を高めることができるのかということを簡単に解説していきます。

目次

  1. トレーニングの質を上げるために意識する3つの身体の部位
  2. 丹田への意識が身体の使い方を変える
    ・下丹田と股関節の捉え
    ・中丹田と胸郭の柔軟性
    ・上丹田とバランス
  3. 丹田という言葉から考えられる身体の捉えた
  4. まとめ

1. トレーニングの質を上げるために意識する3つの身体の部位

身体の使い方を良くしてトレーニングの質を上げるためには、身体の中心に近い筋肉を使えることが大前提です。例えば、大腰筋、腸骨筋、肋間筋、腹横筋、多裂筋、内転筋群などの筋肉です。しかしこれらの身体の中心にある筋肉はその筋肉自体を意識して動かすことが非常に難しくある程度の内部感覚がないと感じることはできません。また、正しい解剖学の知識がないと場所がわからずなかなか意識しづらいこともあり、医学に関わる人やトレーナー以外の人にとっては捉えにくい筋肉たちです。

歴史を振り返ってみても、昔の人たちが解剖学の知識を持っていたのかといえばそうではないと思いますし、筋肉を意識するということとは別の意識の仕方をしていたことが考えられます。そして、昔の書物などでよく出てくる身体の内部意識の場所として、3つの部位が挙げられているのがわかります。

それらの3つの場所とは以下の通りになります。

下丹田
中丹田
上丹田

トレーニングの質を上げるために意識する3つの身体の部位
使いたい筋肉自体に意識を向ける代わりにこの3つの場所を意識してトレーニングをすることでより身体の中心に近い筋肉たちを使って動けるようになります。

以下、3つの部位ごとに少し解説していきます。

2. 丹田への意識が身体の使い方を変える


上記で説明した通り、丹田には上・中・下と3つの場所がありそれぞれパフォーマンスを向上させるために必要な以下の3つの身体操作と密接に関係していると考えられます。

下丹田と股関節の捉え

下丹田の位置はちょうどヘソの下あたりで下腹部と一致します。トップアスリートをみるとわかりますが、下腹部が膨れていて胴体が分厚い傾向にあります。このようなお腹を持っていると下丹田に意識を向けやすくなります。そしてこの下腹部が膨れているのは、腸腰筋と腹横筋がより発達しているためであり、この2つの筋肉の発達させるためには股関節の捉えの精度を高めることが必要です。つまり、下丹田に意識を集めるためには、股関節の捉えの精度を高めて下腹部を発達させることになります。

股関節の捉えについて詳しく知りたい人はこちらの記事を読んでみてください!

中丹田と胸郭の柔軟性

中丹田はちょうど胸骨の真ん中の奥あたりを示しており、ここに意識を置くことは胸郭を柔軟に動かすためにも必要なことです。また、呼吸をする際にも胸郭を膨らませるために中丹田の意識は必要です。そして呼吸を深くするためには胸郭の柔軟性も必要なことから中丹田の意識は、胸郭の柔軟性と呼吸機能に密接に関わっていることが考えられます。

中丹田の意識を高めて胸郭の柔軟性を高める事を書いた記事はこちらです!

上丹田と頭部の位置

上丹田は頭部の真ん中あたりにあります。そして頭部は身体の軸を形成するためにとても重要な場所であり、バランス能力にも関わっています。例えば、頭部は軸のある方の股関節の真上にあることで軸を形成しますが、これが股関節の真上から外れてしまうと身体の軸が崩れバランスを取るために身体の中心に近い筋肉よりも身体の外側にあるアウター筋をより多く動員させてしまいます。アウター筋は本当であれば爆発的な動きを作るときに使われるとより効率的に身体を動かせることから、バランスを取るために使われてしまうとパフォーマンスの低下につながってしまいます。つまり、上丹田の意識を高めることで頭部を常に正しい位置に置くことができて、身体の軸の形成に役立つことになります。

3. 丹田という言葉から考えられる身体の捉え方

丹田という言葉を聞いたことがある人は多いかと思いますが、丹田とは『気の田』という意味と言われています。気と聞いてよくわからないと思うかもしれませんが、エネルギーだと思ってもらえれば大丈夫だと思います。つまり、丹田とは言葉を変えると『エネルギーを産む土地』と言い換えられるかもしれません。
そしてもう一つ、丹田の『丹』という漢字はもともと ‘不老不死のために練り上げた仙薬’ という意味を持っています。また、真心を込めて念入りに行う事を示す言葉に使われており、以上の事をまとめると丹田とは、『真心込めて念入りに行う事で作り上げることのできるエネルギーの場所』と捉えることができます。

そして、下丹田はお臍の下あたりで『精』、中丹田は胸の真ん中あたりで『気』、そして上丹田は頭部の真ん中あたりで『神』と関わっていると言われております。

ここからは個人的な見解ですが、

精とは精力という言葉がある通り、人のエネルギーの源のことを意味しており、身体の原動力、つまり身体の動作レベルので考えると動きの原動力と捉えることができると思います。この事を踏まえると下丹田の意識を高めることとは、動きの原動力でもある股関節や骨盤をうまく使えるようになることと関係していると考察できます。

次に気に関してですが、気とは呼吸と密接に関係しているとも言われており、その呼吸は胸郭と関係しています。つまり、気に関係している中丹田の意識を高めるということは、場所の位置からも考えられる通り呼吸を含めた胸郭の使い方をうまくしていくこととも言えると思います。

最後にですが神とは精神世界のことを言い、思考や意識のことを指していると考えられます。そのため上丹田の場所的にも脳の位置と一致し上丹田の意識を高めるということは、思考や意識をコントロールできることと関係していると考えられます。また、脳は自律神経の調整やバランスの調整、筋肉への信号を送っているをことから、身体の緊張や身体の軸の形成、筋収縮の活性化にも関わっておりとても重要であると考えられます。

4. まとめ


今回はトレーニングのトレーニングの質を上げるために意識する3つの身体の部位として、下丹田・中丹田・上丹田を紹介しました。

本来であれば、使われるべき筋肉を一つ一つ意識することが手っ取り早いのですが、アスリートにとっても解剖学的な知識がないと難しいことから身体の3つの部位に絞ることでより簡単に身体内部に意識を向けて身体操作をよりうまく行うことができるようになる事を話していきました。

そしてこれらの身体の箇所3つは以下のように身体と関わりがあると考察できます。

  • 下丹田の意識は股関節の捉えの精度と関係している。
  • 中丹田の意識は胸郭の柔軟性、呼吸と関係している。
  • 上丹田の意識は身体の軸の形成、バランスと関係している。

以上のことから、下丹田・中丹田・上丹田の3つの場所の意識を高め身体を使うことで、より質の高い身体の動きでトレーニングをおこなうことが可能になり、最終的にパフォーマンスも上がっていきます。ここでは詳しい丹田の意識の仕方については触れてはいないので、上記にものせた他のブログ記事を参考にしてみてください。