#165 【腿前だけを使わない】正しいスクワットができるようになるポイント
スクワットはトレーニングの中でも1番と言っていいほど大切なトレーニングになります。というのもスクワットを正しくきれいに行えていると他のトレーニングや動作に関してもうまく体を使えるようになるからです。
YouTubeや実際の現場でのプロアスリートのトレーニングを見ていてもこのスクワットがしっかりとできている人がそんなに多くはいません。つまり、このスクワットは簡単なエクササイズのように見えて実はとても難しいエクササイズになります。そして、多くの人がやりがちな間違ったスクワットとして腿の前をメインに使ったスクワットの方法です。この方法でのトレーニングはパフォーマンスを上げるのではなくパフォーマンスを下げてしまい、それと同時に怪我のリスクまで上げてしまいます。
本記事ではこの腿の前を中心に使ったスクワットがなぜいけないのか、そして、通常の正しいスクワットができるようになる方法について解説していきたいと思います。
目次
- 腿の前を中心に使ったスクワットがいけない理由
- 正しいスクワットができるようになるポイント
- まとめ
腿の前を中心に使ったスクワットがいけない理由
腿の前を中心に使ったスクワットでトレーニングを続けてしまうと、パフォーマンスの低下と怪我のリスクの増加につながってしまいます。実際にどのようなパフォーマンスの低下につながるのかそして今日のリスクを増加させてしまうのかについて以下に書いていきます。
すぐに足が疲れてしまう
本来、スクワットは股関節周りの筋肉をまんべんなく使った方法で行うことが大切になります。しかし、腿の前の筋肉だけを中心に使ってスクワットする場合には、その他の股関節の筋肉をしっかりと使うことができず効率の悪い動作となってしまいます。腿の前の筋肉とは具体的に大腿四頭筋と言う筋肉で、骨盤から膝に付着しています。この筋肉は主に膝の伸展と股関節の屈曲の動きをサポートするために働く筋肉です。そのため、スクワットで股の前の筋肉を中心に使ってしまうと股関節を中心に使うのではなく膝を中心に使った動きとなってしまいます。ここで問題なのは、膝の周りの筋肉は股関節と比べあまり大きくなく数も少ないため負荷の抵抗に対して弱い抵抗力でしか働くことができません。そのため、スクワットのトレーニングで腿の前の筋肉しか使えてないと、すぐに足がパンパンになって疲れてしまいます。このような方法でスクワットを行っていると他の動作をした時に腿の前を使った動作が癖ついてしまい、パフォーマンスの低下につながってしまいます。
膝の怪我のリスク
腿の前の筋肉を中心に使ってスクワットをすると膝を中心に使った動作になってしまうことを先ほどお伝えしました。膝は体の体重を支えるための主な関節ではないため、このような動作が癖についてしまうと膝の怪我のリスクが高まってしまいます。腿の前の筋肉である大腿四頭筋は膝の前面まで付いていて、この大腿四頭筋の過負荷により膝の前の前面に負担がかかってしまいます。そして結果として腱鞘炎や筋損傷になったりするリスクを高めてしまいます。
腰の怪我のリスク
大腿四頭筋ばかりを使った動作になってしまうと大腿四頭筋自体の緊張が高まり、骨盤前傾を強めてしまいます。そして、骨盤の前傾が強まることで、反り腰を作ってしまい腰の筋肉まで緊張してきてしまいます。腰の筋肉が緊張してくると腰自体に痛みを抱え始めたり、股関節の動きが悪くなり鼠蹊部痛や股関節痛の原因となったりすることもあります。
正しいスクワットができるようになるポイント
先ほど、腿の前の筋肉を中心に使ったスクワットがいけない理由について話してきました。しかし、実際に正しいスクワットのやり方について理解している人はあまり多くはありません。何が正しいスクワットかと言うと、簡単に言えば股関節周りの筋肉を全体的にまんべんなく使っているスクワットのことを言います。股関節の前の筋肉をまんべんなく使うと言う意味自体は正直なところとても曖昧な表現でどのように股関節の全体の筋肉を使えばいいかを理解することは難しいところでもあります。そのため、ここでは股関節の周りの筋肉をしっかりと使って正しいスクワットをするためにどのようなポイントを押さえていけばいいのかを紹介していきます。
骨盤を立てる
まず1つ目のポイントとして、骨盤を立てることが大切になります。骨盤を立てるとは骨盤を前傾にしてお尻が持ち上がった状態になります。姿勢としてはトップアスリートのお尻がブリットなっている姿勢を想像してもらえると分かりやすいと思います。骨盤を立てるためには、鼠蹊部から骨盤を前傾させる動きであったり、仙骨の近くにある筋肉である多裂筋をしっかりと機能させることが大切になります。また骨盤とはあまり関係ないと思われるかもしれませんが、とても大切な1つのポイントとして胸椎の伸展の動きをしっかりと作ることです。胸椎の伸展がしっかり出ると胸椎の伸展の動きにつられて骨盤が前傾方向に立ちやすくなります。ここで注意しなければいけない事は、胸椎の伸展の動きの可動域制限がある場合には、胸椎の伸展の動きがしっかりとでずに、代償動作として腰椎の伸展の動き、つまり腰を反る動きをしてしまいます。この場合には骨盤は正しく立つことができず腰を痛めたり股関節の動きを悪くしてしまったりすることにつながります。
【骨盤を立てる】とはどういう意味か
トップアスリートの選手を見ているとほとんどの場合、骨盤がしっかりと立っていてお尻がプリっとしている姿勢をしています。この姿勢は特に黒人選手に多く見られる姿勢ではありますが、競技レベルが上がるにつれてどの人種の人にとっても見られる姿勢になります。
腿の内側に刺激を入れる
2つ目のポイントとして腿の内側にしっかりと刺激を入れていくことです。腿の内側には内転筋群と言う筋肉があり、この筋肉は骨盤を立てる時やスクワットをするときの中心軸を保つための重要な筋肉になります。しかしこの筋肉は意識をしていないと働かしにくい筋肉の1つであり、そのためにスクワットや骨盤を立てる動作をする前に単独で刺激を入れていく必要があります。例えばですが内転筋のエクササイズをして内転筋群に刺激を入れた後にスクワットを行うとスクワット時により内転筋群を使った動きをすることが可能になります。
お尻に刺激を入れる
3つ目の最後のポイントとしてお尻に刺激を入れることです。スクワットでとても大切な事は骨盤をしっかりと立てる事ですが、それと同時に腿のの前の筋肉ではなく、お尻の筋肉をしっかりと使うことも大切になります。お尻の筋肉と腿の前の筋肉は拮抗作用のある筋肉同士です。そのため。腿の前の筋肉ばかりを使ってしまうとお尻の筋肉がなかなか使えなくなってしまいます。意識的にお尻の筋肉である大臀筋などの筋肉に単独で刺激を入れてからスクワット等のエクササイズをするとよりお尻に認識をしてスクワットをすることができるようになります。
まとめ
腿の前の筋肉ばかりを使ってしまうと、足がすぐに疲れ動作パフォーマンスの低下につながってしまいます。また膝の怪我のリスクや腰の怪我のリスク等を増加させてしまう恐れもあります。そのため、スクワットのようなトレーニングのときには腿の前の筋肉だけを使った動作をするのではなく股関節の周りの筋肉を中心に使った動作ができることがとても大切です。
股関節周りの筋肉を中心に使った動作ができるようになるためには、骨盤をしっかり立て、内転筋群やお尻の筋肉である臀筋群にしっかりと意識を向け動作ができることが大切になります。
スクワットがなかなかうまくできない人はこのブログの内容を読んでヒントを得て、自分なりに考えて試行錯誤してみてください。
スクワットの時により楽に体を動かすようなことができるようになればそれが正しいスクワットになります。