#95 大腰筋歩行について
以前このようなツイートをしました。
レベル1: 大腿四頭筋歩行
レベル2: 大臀筋歩行
レベル3: 腸腰筋歩行
レベル4: ?????一般的に言われてる病的な歩行ではなく、歩行の時に優位に働く筋名を示した歩行のレベル。
このレベルによって、内的な意識が全然違うし、運動した時の体の疲れ方が違う。
— 桑原秀和(Hide. Kuwabara)🇳🇱🇧🇪 (@HiddeKuwabara) January 15, 2021
歩行は歩き方の違いによって様々な筋肉を使って歩くことができます。
筋肉を使うと言ってもその筋肉に頼って歩くため悪い歩き方をしてしまえばどっかを痛めてしまったり変な癖によって慢性的なコリを起こしたり怪我を抱えてしまう可能性もあります。
本記事ではこの歩行について筋肉をベースにどのような筋肉を中心に使って歩けばより効率的に体に優しい歩き方ができるのかを解説していきます。
大腰筋を含めた腸腰筋について↓↓↓
腸腰筋ってどこでどんな作用?【特別な促通法も解説】
腸腰筋とはどこにあるのか、そして作用はなんなのかと実際によくわからない人のために本記事では腸腰筋について書いています。すでに腸腰筋について知っているよって人でも、教科書に載っていない情報も書かせてもらいましたのでぜひ読んでみてください。
目次
- 歩行の種類
・四頭筋歩行
・大臀筋歩行
・大腰筋歩行 - 正しい歩行するために大切なこと
- まとめ
1.歩行の種類
歩行の仕方によって主に大きく3つに分けることができます。1つ目は大腿四頭筋を中心に使った歩行である大腿四頭筋歩行、2つ目は大臀筋を中心に使った大臀筋歩行、3つ目は胴体の中心部にある大腰筋を使った歩行である大腰筋歩行です。
それではそれぞれの歩行について解説していきます。
四頭筋歩行
大腿四頭筋歩行とは太ももの前にある大腿四頭筋と言う筋肉を主に使った歩行になります。
この歩行の特徴として長時間歩いた後や階段を登り下りした後に太ももの前側や外側、ふくらはぎが疲れやすい歩行になります。この歩き方は今回紹介する3つの歩行の中で1番効率が悪い歩き方です。このやり方を長時間してしまうと膝を痛めたり股関節を痛めたり足首を痛めたり腰を痛めたりと様々な問題が引き落とされてしまいます。しかし現内の人々はこのような膝を中心に使った大腿四頭筋歩行をされる方が多く、そのような問題がありいろいろな痛みを持っている人が多い状態です。具体的に言うと子供の症状で言うとオスグッドシュラッター病、スポーツをしている人で言うと膝蓋大腿靭帯炎やジャンパー膝など様々な症状が現れてしまいます。
特にお年寄りでは変形性膝関節症などにもつながってしまう恐れがあります。
大臀筋歩行
次に大臀筋歩行についてです。大臀筋歩行とはお尻の筋肉である大臀筋を中心に使った歩行になります。大腿四頭筋を使った歩行と比べ体の中心近い筋肉で歩行するため、かなり体に対しての負担は減っていきます。そのため効率の良い歩行となります。また骨盤周りの筋肉がしっかりと使われる事から骨盤を安定させる歩行にもなります。この歩行では膝を中心に歩くのではなく股関節を中心にあるけているのが特徴です。このような歩き方をしっかりできている人は長時間歩いても腿の前の疲れやふくらはぎの疲れなどが四頭筋他の人に比べてより少なくなります。この歩き方が大腿四頭筋歩行と何が違うかと言うと先程の述べましたが膝を使わない股関節をしっかり使った歩行であり、歩いているときに骨盤が少し前傾しその骨盤がしっかりと膝の上に乗って歩くことができている状態です。そのため歩くときの衝撃吸収は股関節を中心に行われることが特徴的です。
大腰筋歩行
次に大腰筋歩行についてです。この大腰筋歩行とは大臀筋歩行よりもさらに効率の良い歩行となります。大腰筋とは胴体の中心部そして深部にある筋肉で主な作用として一般的に言われている事は股関節の屈曲動作(足を上げる動作)です。しかし歩行においてこの大腰筋は股関節の屈曲動作以外にも重心移動のため働きます。歩いてるときの感覚としてはお腹の深部が水風船のように揺れながら歩いてるような感覚になります。そして他の歩行と比べて重心は高く長時間歩いても足の疲れはあまり起きません。走ったりスポーツ動作をする時などはこの大腰筋をしっかりと使えることでよりパフォーマンスが高くなったりします。そして高い負荷での運動の後には足の筋肉痛ではなく胴体と胸郭周りの筋肉痛が引き起こされることが多いです。この大腰筋を使えていると体の手足の連動がしっかりできていることにもつながるため足を使った動作や手を使って動作などもとても効率的に体全体を使って動かすことができます。
また、このように大腰筋歩行について述べたこともあります。
長時間歩いて、体が疲れる人と体が整う人がいます。これの違いは大腰筋歩行ができているかが分かれ目になります。
一つの目安として、ふくらはぎや腿の外側が疲れる場合や浴衣を着て着崩れする場合は、大腰筋歩行ができていません。
大腰筋歩行ができないことは、現代病とも言えるかもしれません。
— 桑原秀和(Hide. Kuwabara)🇳🇱🇧🇪 (@HiddeKuwabara) May 18, 2021
2.正しい歩行するために大切なこと
これまでに3つの歩行についてお話をしてきました。一番効率が悪い歩き方が大腿四頭筋歩行で1番効率の良い歩き方が大腰筋歩行です。そしてこの大腰筋を使った正しい歩行するために大切なポイントがいくつかあります。
これからそのポイントについて紹介していきたいと思います。
股関節の捉えがあること
この股関節の捉えとはヒップヒンジと混在されることがありますがヒップヒンジは股関節からしっかりと上半身を曲げてお尻を突き出すような動きであり大主に臀筋を使った動きになります。しかし股関節の捉えはヒップヒンジのように大臀筋の筋肉をしっかりと使うだけではなく股関節の内転筋群や大腰筋を連動させて使うことがとても重要になります。そのため股関節を中心に使うだけでは不十分で股関節に対しての上半身の位置がとても重要になってきます。またヒップヒンジだけでは内転筋が使われないことも多く内転筋に対しての意識もとても重要になります。この内転筋に対しての意識を持つためには骨盤と胸郭の動きがしっかりと分離していることもとても大切になります。この骨盤と胸郭の分離が起こることで骨盤がより自由に動くことができ内転筋がしっかりと使えるような体の姿勢を保つことができます。そして先ほど股関節と上半身の位置関係がとても重要であるとお伝えしましたが、この位置関係を正しくキープするためには胸郭の柔軟性も重要になってきます。
胸郭の柔軟性を高める
胸郭の構造として肋骨、胸椎そしてその周りについている筋肉、他の組織などがあります。それらが柔軟に一つ一つ動くことが胸郭の柔軟性が向上していきます。そして胸郭が動くときには胸郭の上の頭や胸郭の下の骨盤がしっかり分離して動くことができることがとても大切になります。この両方の部分が分離して動かないと胸郭が動く時につられて一緒に動いてしまうため効率的な動きができなくなります。そして筋肉のレベルで考えた場合に胸椎の上下の部分がしっかりと分離していないと胴体の深部にある大腰筋がしっかり働くことができません。大腰筋は股関節から胸腰椎そして横隔膜に筋連結しているためこの分離の動きがとても大切になります。そして先ほど述べた股関節の捉えがあることが前提で胸椎がしっかりと柔軟性を持って動くことでこの大腰筋がしっかり働くことになります。これは筋肉の起始・停止を考えるとよくわかることなのですが股関節の捉えができていると大腰筋の起始部がしっかりと安定して、その状態で停止部が動くことができるので筋肉が安定して動くことができます。
3.まとめ
本記事では歩行について3つの種類を紹介してきました。効率的な歩行するためには大腿四頭筋を中心に使った大腿四頭筋歩行ではなく胴体の深部にある大腰筋を使った大腰筋歩行をすることがとても大切です。そのためには股関節の捉えと共に胸郭の柔軟性があることが求められます。他にも細かいことを言うと大切な要素はありますかこの2つの精度を高めていくことで大腰筋がしっかりと歩行時に使われるようになります。
この大腰筋歩行について言葉で説明するのはとても難しく感覚的な問題でもあるためこの股関節の捉えと胸郭の柔軟性の精度を高めて感覚的に理解できることが大切です。ぜひこの大腰筋が使えるようにエクササイズに取り組んでみてください。
参考文献
体と心がラクになる「和」のウォーキング 芭蕉の"疲れない歩き方"でからだをゆるめて整える 【著者】安田登