#49 骨盤の動きの質を高めるとスポーツに効果的な理由

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本記事では骨盤の動きの質を高めるとスポーツに効果的な理由について解説していきます。

多くの人にとって、骨盤自体なんなのかよくわからない人もいれば、骨盤の動きをよくするってどういうことと疑問に思うこともあるかと思います。そのため、骨盤の構造や動きにいても言及していきます。

目次

  1. 骨盤の動きの質を高めるとスポーツに効果的な理由
    ・腸腰筋を感じ動かす
    ・骨盤の構造
    ・骨盤を操る
  2. 骨盤の自由度が体幹に与える影響
    ・体幹の柔軟性が向上する
    ・体幹の安定性が向上する
    ・少ない力で体を楽に動かすことができる
  3. まとめ

1 骨盤の動きの質を高めるとスポーツに効果的な理由

腸腰筋を感じ動かす

骨盤の動きの質を高めるとスポーツに効果的な理由
骨盤の内部には腸腰筋と呼ばれる筋肉がありますが、背骨から股関節までついていて骨盤の深部に位置するため体表から触ることや収縮を感じることが非常に難しい筋肉です。

しかし、この筋肉は骨盤を操るうえでは非常に重要な筋肉になる上、骨盤の動きの質を高めるとこの腸腰筋を使いやすい体を手に入れることができます。骨盤自体は後ほど述べますが、左右の骨に分かれていて動きはそれほどありません。そのため、骨盤の動きをよくするためには骨盤の上下に位置する股関節と胸郭の使い方と可動域も影響してきます。

言い方を変えれば、『股関節の捉え方』『胸の意識』にも関わってくることで、腸腰筋をうまく使えるということは骨盤、股関節、胸を自由に操れるとも言えるのです。

股関節の捉え方や胸の意識についてはこちらの二つの記事を読んでみてください。

別の視点で腸腰筋を見ていきますが、腸腰筋がうまく使えていると立っているだけでも腹部が赤ちゃんのように膨れています。

有名なスポーツ選手では、ハンマー投げの室伏選手がめちゃくちゃ良い例だと思います。また、為末選手も先日YouTubeの『為末大学』で、この体幹が現役時代は膨れていたけど今は凹んでしまったと貴重な話もされています。そして、ツイッターで引用リツイートさせていただきました。

以上のように骨盤の動きの質は腸腰筋と密接に関係していることが考えられます。スポーツパフォーマンスにおいて腸腰筋のような体の深部に近い筋肉をより使うことはとても重要なので、骨盤の動きの質もパフォーマンス向上には欠かせない要素になります。

骨盤の動きといっても『構造と動き』そのものがどういったものなのかわからないと動きの質を高めることができないので以下に解説していきます。

骨盤の構造

骨盤の構造
骨盤とは、仙骨と左右の腸骨からなり仙腸関節と股関節があります。特に仙腸関節は強靭な靭帯に覆われているため、可動性はほとんどありません。そのため仙骨と腸骨を分離して動かすことは不可能です。

骨盤は体幹の土台ともなるので、骨盤の位置によって重心の位置が変わるため、体にとって非常に大切な部位になります。そのため骨盤の位置を自由に動かせることは、少ない動きで重心を操れることにもつながります。

骨盤の構造を知ることは、自分の体を動かすときにイメージしやすくなるので、骨盤の構造を覚えることをお勧めしています。

骨盤を操る

上記でも書いた通り、骨盤の位置を自由に動かせることは、少ない動きで重心を操れることというのはスポーツや日常生活動作に置いて非常に重要です。骨盤の動きには主に3つの動きがあります。

その3つの動きとは

『前傾・後傾』
『挙上・下制』
『回旋』

です。

『前傾・後傾』とは、体を横から見たときに骨盤が前と後ろに傾くことで、『挙上・下制』とは、体を前から見たときに片方の骨盤が上と下に動くことです。『回旋』とは、体の中心軸を中心に回転することを言います。

この3つの骨盤の動きを股関節と背骨とを分離して自由に大きく動かせることが骨盤を操れるということになります。

具体例として、キャット&カウや足の開脚の姿勢、胡座の姿勢などで、この骨盤の3つの動きを作り出すような練習をしていくと骨盤を操る能力は高まっていきます。

以下、『キャット&カウ』動画です。これは骨盤と胸郭を分離して動かすためのトレーニングです。

2 骨盤の自由度が体幹に与える影響

体幹の柔軟性が向上する

骨盤を自由に動かすためのトレーニングを続けていると体幹の柔軟性も向上していきます。このトレーニングの時には背骨と分離して動かすことができることの重要性は上記でも少し触れました。

そして、さらにこの骨盤を分離して動かせることは、背骨や胸郭に対しても柔軟性を向上させる効果をもたらします。

その結果、体幹全体の柔軟性向上にもつながり、自由に動かすことのできる体幹を育てることができます。また、骨盤の動きが制限されている場合は、背骨との連動を弱めてしまい骨盤で生まれた力を背骨まで伝えることができなくなってしまいます。

体幹の安定性が向上する

骨盤が股関節や背骨に対して自由に動かせるようになると、インナーマッスルが活性化され体幹の安定性が向上します。

体幹の安定性には主に、『腸腰筋、多裂筋、腹横筋』が大切になってきますが、これらの筋肉がより働きやすい身体に変化していきます。

その結果として、赤ちゃんのようにお腹が膨らみ、骨盤が立って、身体の中心軸がぶれなくなります。

またこの中心軸の感覚も養うことができるので、骨盤を自由に動かすためのトレーニングをぜひ取り組む価値は非常に高いです。

少ない力で体を楽に動かすことができる

今まで、骨盤の構造を知り、骨盤を操ることを知り、その結果として体幹を柔軟かつ安定的に使うことができることを説明してきました。

これらのことと共通する部分ではありますが、骨盤が自由に動くことで少ない力で体を楽に動かせるようになります。体を楽に動かすためには、重心移動をスムーズに行うことが求められてきます。

骨盤を自由に動かし股関節と背骨を最適なポジションに置くことで、小さな動き、つまり小さな力で重心移動を可能にします。

実際にやってもらえればわかりますが、骨盤を前傾すると重心は前に行き、後傾すれば重心は後ろへ移動します。そして、この前・後傾の動きがより大きくなることで、重心移動もより大きく動かすことができると考えられます。

まとめ

  • 骨盤の構造を知り、体を動かす時のイメージ力を高めことができます。
  • 骨盤の動きを3つに分けて、骨盤のトレーニングするとより効果的です。
  • 腸腰筋をうまく使うことで、体幹の機能を高められます。
  • 骨盤を自由に動かせることは、体幹の柔軟性の向上につながります。
  • 骨盤を自由に動かせることは、体幹の安定性の向上につながります。
  • 少ない力で体を動かせるようになるには、重心をスムーズに動かす能力が必要です。

スポーツをしていない一般の方を見ることもありますが、骨盤を動かそうと思ってもなかなか思うように動かせない人が多いのが現状です。それだけ無駄な力を使いながら生活していることが想像できます。

最終的に、このことがコリや体を痛めることにもつながるので、できる限り多くの人に今回の記事の内容を知ってもらえたら嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。