#18【スポーツトレーナー必見】内臓の機能低下が筋とパフォーマンスに及ぼす影響

原因不明のパフォーマンス低下がなぜかを知りたいスポーツトレーナーの方へ『なぜかわからないけど今日は選手の筋の出力が低い。いつもより選手の動きが悪いけどなんで?』
この原因不明のパフォーマンス低下、筋出力の低下は内臓疲労や機能低下により引き起こされている可能性もあります。
先日、このようなツイートをしました。
トレーナーとして選手のケア、トレーニングをしてて、今日はこの選手の調子が悪いな、パフォーマンスがいつもより悪いな、けど原因がわからないと思うことはいままでにあると思います。
これは、一時的な筋力低下で思うように体が動かせないからです。この原因は実は内臓の機能が関係してます。— 桑原秀和(Hide. Kuwabara)🇳🇱🇧🇪 (@HiddeKuwabara) May 10, 2020
また、このようなツイートもしました。
内臓の機能低下でもスポーツのパフォーマンスが落ちたりします。
例えば、便秘がハムストリングスの怪我のリスクを増加させたり、膝、骨盤の不安定性によりパフォーマンスの低下を引き起こします。
エビデンスはとれてないけど、臨床では観察される。— 桑原秀和(Hide. Kuwabara)🇳🇱🇧🇪 (@HiddeKuwabara) April 24, 2020
ツイートの通り、内臓疲労により一時的に筋力が低下してパフォーマンスが下がることがあります。
また、便秘がハムストリングスの怪我のリスクを高めることもあります。
そして先日、アスリートコレクションさんの方で『【スポーツ選手必見】理学療法士の視点から見える食事がパフォーマンスに影響する理由‼️』の記事を書かせていただきました。
【スポーツ選手必見】理学療法士の視点から見える食事がパフォーマンスに影響する理由‼️
食事による内臓疲労が筋力や体幹機能の低下に繋がるイメージが湧かない人も多いのではないでしょうか?
今回は海外で活躍する理学療法士 @HiddeKuwabara さんの記事をご紹介😉https://t.co/jjJC3ceGpQ
— 【サッカー】アスリートコレクション (@Soccer_AthleteC) May 12, 2020
この記事で書かせてもらった通り、内臓の機能低下が筋肉に悪影響を引き起こす可能性があります。
本記事では、上記で示したことの情報元として何を用いたのかを公開します。
目次
- 内臓の機能低下が筋に及ぼす影響
・内臓と筋肉の関係表
・経験からわかった内臓と筋肉の関係性 - まとめ
内臓の機能低下が筋に及ぼす影響
これらの根拠として、以下に内臓と筋肉の関係性を表した表を載せました。
これは Applied kinesiology という代替医療の診断手法から引用したものです。
内臓と筋肉の関係表(内臓、筋、栄養、経絡)

内臓 | 筋肉 | 栄養 | 経絡 |
肺 | 三角筋 前鋸筋 |
ビタミンC, βカルチン, 水 | 肺経 |
心臓 | 鎖骨下筋 肩甲下筋 |
ビタミンB2・B3・C・E, マグネシウム, カルニチン | 心経 |
胃 | 大胸筋鎖骨部 | ビタミンB12, 銅, 亜鉛, 塩酸ベタイン | 胃経 |
脾臓 | 僧帽筋中部 僧帽筋下部 |
ビタミンC, カルシウム | 脾経 |
膵臓 | 広背筋 | ビタミンA・F, ベタイン, 亜鉛, セレニウム, クロム | 脾経 |
肝臓 | 大胸筋胸骨部 小/大菱形筋 |
ビタミンA, 胆汁酸塩, コリン, イノシトール, メチオニン, タウリン | 肝経 |
胆嚢 | 膝窩筋 | ビタミンA, ベタイン, 必須脂肪酸(ビタミンF) | 胆経 |
小腸 | 腹筋群 大腿直筋 |
ビタミンD・E, コエンザイムQ10, カルシウム, アシドフィルス | 小腸経 |
大腸 | 大腿筋膜張筋 | アシドフィルス, フェヌグリーク, ヒレハリソウ, 葉酸, ビタミンD, 鉄 | 大腸経 |
直腸 | ハムストリングス | ビタミンE・F, カルシウム, マグネシウム, 塩酸ベタイン肺 ビタミンC, リボ核酸, βカロチン, 水 | 大腸経 |
腎臓 | 腸腰筋 | ビタミンA・E 、水 | 腎経 |
副腎 | 縫工筋 | ビタミンB6・B12・C, パントテン酸, 副腎エキス, チロシン, 葉酸 | 心包経 |
膀胱 | 長短腓骨筋 脊柱起立筋 |
カリウム, カルシウム, ビタミンA・B・C・P, シュウ酸をを含む食べ物を避ける(コーヒークランベリー、プラム等) | 膀胱経 |
腺・生殖器官 | 内転筋群 大臀筋 中臀筋 梨状筋 |
ビタミンE, ナイアシン, 亜鉛 | 心包経 |
副鼻腔・脳幹 | 胸鎖乳突筋 | ナイアシンアミド、ナイアシン、有機ヨウ素 | 胃経 |
胸腺 | 棘下筋 | 昆布に含まれるヨウ素, 亜鉛, 銅, ビタミンA・C | 三焦経 |
甲状腺 | 小円筋 | 昆布に含まれるヨウ素, 他の海藻類, チロシン | 三焦経 |
脊柱 | 大円筋 | 昆布に含まれるヨウ素, 有機ミネラル, 亜鉛 | 督脈 |
脳 | 棘上筋 | RNA, プロテイン, アミノ酸, コリン | 任脈 |
目・耳 | 僧帽筋上部 | ビタミンA・B・F・G、カルシウム、水 | 腎経 |
この表のように、筋肉と内臓以外にも体の各部位が関係していることが言われています。また、栄養素や中医学の経絡とも関係付けており、非常に興味深いものになります。
経験からわかった内臓と筋肉の関係性
以上のような筋肉と内臓の関係性があることが示唆されますが、これらは科学的根拠に基づいていないため軽視されることが殆どです。実際の僕の経験上からは、身体を施術して確認されたことと、この理論とで関係性が高いことがよくあります。
一般の方やスポーツ選手を施術していると必ずと言っていいほど、筋出力の低下が起きていることがあります。そして、怪我の原因や痛みの原因がこの筋出力の低下と関わっていることが確認されています。これはどうしてかというと、筋肉は表裏一体で関節を支えているため片方の筋肉の筋収縮がうまくいかないともう片方の筋肉が強く引いてしまいます。このことで筋収縮がうまくいっていない方の筋肉が引き延ばされて痛みを発することもあります。
このアプライドキネシオロジーの施術方法として、筋肉を活性化させるポイントというのもあり、そこを刺激したり、緊張している場合は緩ますことをすると筋肉の収縮力が上がることがあります。筋収縮力が上がったことにより筋肉のバランスが保てて、痛みが減ったり、関節がスムーズに動くようにもなったりもします。そして、面白いことに実際の施術を受けている人の内臓的な症状と筋肉が一致することもよくあります。
まとめ
これまで紹介した筋肉と内臓の関係性の表や実際の僕の経験から今まで筋肉だけにアプローチを考えていたアスリートやトレーナーの方は考え直すきっかけにもなったのではないでしょうか。特にアスリートは、食事に気をつけていることが多いと思いますので、表にあった栄養の情報と筋肉のパフォーマンスの状態を気にして体のセルフケアに生かすこともできると思います。
また、東洋医学の勉強をしている鍼灸師の方は特に役に立つ理論ではないかと個人的には思っていてオススメです。実際に脈診などの技術と組み合わせて治療をするとより面白いし、効果的な施術ができるようになるのではないかなとも思います。
科学的根拠だけでしか治療家やスポーツトレーナーとしてやらないと決めている人であっても知って確認する価値はあると思っています。いずれ科学的根拠でもしっかりと証明される日も近いのではないかと個人的に期待しています。
多くの治療家、スポーツトレーナーの方に役に立てれば載せてよかったなと思います。
また、以前に書いたブログで、内臓をキレイにするための食事方法も紹介しておきます。
» 参考:#7【内臓をキレイにする】運動しなくても痩せられるダイエット方法
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
参考文献