#152 筋肉肥大のための基本的なトレーニングの知識について
筋肥大は筋細胞の増加と成長によって起こり、運動によって引き起こされる筋肉のサイズの増加を指します。運動するとき、筋肉の大きくしたい場合は、ウェイトリフティングが最も一般的な方法です。
本記事では、筋肉肥大のための基本的なトレーニングの方法について紹介していきます。
目次
- 筋肥大とは何か
- 筋肥大の簡単なメカニズム
- 筋肉肥大を達成するためのトレーニング頻度とやり方
- まとめ
筋肥大とは何か
筋肥大には以下の2つのタイプがあります。
筋形質:筋肉グリコーゲン貯蔵の増加
どちらタイプに焦点を合わせてトレーニングするかは、運動の目標によって異なります。筋原線維の成長は、筋力とスピードを向上させます。筋形質の成長は、持久力の運動競技のための持久力向上に役立ちます。
ウェイトリフティングの場合、軽いウェイトで高回数行ったり、重いウェイトで低回数で持ち上げ、筋肉に違った刺激を与えることができます。この刺激の違いによって筋肉がどのように成長し変化するのかを決定させます。
例えば、より軽い重量でのトレーニングで筋のハリ感を改善させることができますが、この目的を達成させるためには、数多くの繰り返しが必要になります。倦怠感や疲れの限界のポイントまで何度も繰り返し実行しない限り、このワークアウトでは、多くの筋肉の肥大は見られません。
一方、重いウェイトを使用することは、筋線維の成長と肥大を刺激する効果的な方法です。また、時間が足りない場合は、より効率的に筋肉に刺激を入れることが可能になります。
筋肥大の簡単なメカニズム
ウェイトリフティングによって筋肥大を達成するためには、機械的損傷と代謝疲労の両方が必要です。
重いおもりを持ち上げるときに、筋肉がそのおもりに抵抗できるだけの力を生み出す必要があります。そして、この時に筋繊維の微細な損傷が起き、体内の修復反応を刺激します。その後、筋繊維が修復される時に、次に同じ負荷量で筋繊維が壊れないようにとより丈夫な筋繊維が作られ、その結果、筋肥大が起こります。
代謝疲労は、筋肉の収縮を助けるエネルギー成分であるATPを筋繊維が使い果たした時に発生します。筋肉がエネルギー不足に収縮できなくなり、通常では持ち上げられるような重量を適切に持ち上げることができなくなることが起こり、その後、筋肥大につながる可能性があります。
以上のように機械的損傷と代謝疲労の両方が、筋肥大を達成するために重要なことです。しかし、この筋肥大は、トレーニングにより筋肉が疲弊し力尽きるまで行う必要はありません。逆に追い込み過ぎてしまうと、オーバートレーニングになる恐れがあるので、注意が必要です。
ある理論では、機械的損傷と代謝疲労のストレスに対して体が適応する3つの段階があるとされています。
身体的なストレスを受けると、一段階目として警告反応期に入り、疲労感や筋肉痛などを訴え、体に対して警告をします。その後、二段階目の抵抗期に入り筋肥大と筋力アップが起こります。ここまでが筋肥大までのメカニズムの流れです。しかし、トレーニングで追い込み過ぎてしまうと三段階目の疲弊期に達してしまい、オーバートレーニングとなってしまいます。
2010年のある研究によると、筋肥大の効果を最大に得るためには、筋肉にかなりの代謝ストレスを与え、それに加えてある程度の筋肉の緊張が必要であることがわかっています。研究者は、高速から中程度の速度で1〜3秒間短縮運動(コンセントリック)を行い、低速(2〜4秒)で伸長運動(エキセントリック)が筋肥大のために非常に効果的であることを報告しています。
筋肉肥大を達成するためのトレーニング頻度とやり方
トレーニング頻度
筋肥大を達成するために必要なトレーニングの頻度は、目標によって異なります。
- 特に重いウェイト週に3日行う:週3日行うことでトレーニング日の間に1日筋肉を回復させるための回復日をおくことができます。これにより、オーバートレーニングを予防することができます。
- 週に2回だけ行う:現在のフィットネスレベルにもよりますが、週に2日だけウエイトトレーニングを行います。これは、他のスポーツなどを行っている場合などにも適応でき、1シーズン通して筋力を落とさないようにするために適切な頻度であるともされています。
- 日ごとに上半身と下半身を分けて交互に行う:これにより、休息と回復のための時間を確保しながら、週3日以上多く行うことが可能になります。
やり方
- レップ数と休憩時間:通常、筋肥大を目的としてトレーニングする場合は、1セットあたり6〜12回のレップ数を行う必要があります。セット間の休憩は、約60〜90秒が適切であるとされています。この休憩時間では、筋肉がある程度疲労したまま次のセットを行うことができるので、筋肥大にとってちょど良いセット間の休憩時間になります。
- 十分な重量で行う:重量が軽すぎると、筋肥大の効果が低下してしまいます。一回のセットで、最大6〜12回のレップ数で行える重量が一つの目安です。
- バリエーションのあるエクササイズを行う:バリエーションのあるエクササイズを行うことで、違った角度での運動を行うことができ、より多くの筋繊維に刺激を入れることができます。その結果、筋肥大がしやすくなります。
筋肥大を達成するためには、正しい知識をつけるか、もしくは正しい知識を持っている専門家にプログラムを作成してもらってトレーニングすることでより効率的に行うことができるようになります。また、筋肥大のためのトレーニングを継続して行い、重量も徐々に増やしていかない限り、筋肥大の効果は出てきません。一方、急激に持ち上げる重量を増やしてしまうと、怪我につがなる可能性が高まるので注意が必要になります。
まとめ
筋肥大には、以下の2種類のタイプがあります。
筋肥大タイプ | 筋原線維 | 筋形質 |
増加 | 強さとスピード | エネルギー貯蔵と持久力 |
活性化 | 収縮筋 | 筋肉内のグリコーゲン貯蔵 |
筋肥大のメカニズムとして、機械的損傷と代謝疲労の体へのストレスが必要になり、このストレスが多すぎるとオーバートレーニングにつながるので注意が必要です。
高速から中程度の速度で1〜3秒間短縮運動(コンセントリック)を行い、低速(2〜4秒)で伸長運動(エキセントリック)が筋肥大のために効果的な方法です。
筋肥大のためのトレーニングの頻度は、週2回以上行う必要があり、目的によってもことなります。また、1セットあたり6〜12回のレップ数、セット間の休憩は、約60〜90秒が適切です。
筋肉の成長のためには、たんぱく質が豊富な食事もとても重要になります。タンパク質には、プロテインパウダー、赤身の肉、鶏肉、魚など様々なものがありますが、トレーニングをした分だけしっかりと栄養補給もすることが大切になります。
筋肉をつけるために必要なタンパク質の量
今回は運動をしたときに最大限に運動の効果を引き出すことの一つの要素として、筋肉をつけるための適切なタンパク質の量について科学的根拠をもとに解説していきます。また、健康に限らずスポーツなどをしてパフォーマンスを上げるために筋肉量を増やしたいというあなたにも必見です。
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参考ウェブサイト
https://journals.lww.com/nsca-jscr/fulltext/2010/10000/The_Mechanisms_of_Muscle_Hypertrophy_and_Their.40.aspx