#177 スポーツ選手こそ知っておくべき正しい食事の取り方

ALL CONDITIONING DIET/ NUTRITION

スポーツ選手は、体を動かしエネルギーをたくさん消費するため、何を食事として摂取するかが一般の人以上に重要になってきます。

さまざまな情報が手に入れられる最近では、トップ選手の間で栄養管理のために栄養士を雇ったり、専属シェフを雇ったりと、この食事に対しての意識が高まってきたと思います。(栄養士さんからすれば現場レベルでまだまだかもしれませんが、、)そのため、栄養サポートからの視点で考えると、以前よりも栄養不足だからパフォーマンスが低いというようなことが起きにくくなっているのだと思います。

しかし、健康の面で考えた場合には、栄養面だけでなくどのように食事を取るのかということがとても重要になってきます。

本記事では、その健康面を考えた上での正しい食事の取り方について言及していきます。

目次

  • 正しい食事の取り方とは
  • 食べ過ぎが栄養不足になる可能性がある
  • 小食ですませるための工夫
  • 食品の上手な組み合わせ方
  • まとめ

正しい食事の取り方とは

正しい食事の取り方とはどういうものかというと、基本的に体が要求していることにしっかりと耳を傾けて食べることを言います。しかし、これは自分の体から正しい要求があることが前提であり、いつも自然でない食べ物を食べていると腸や脳が麻痺をしてしまい、体から間違った要求を受けてしまうことがあります。

正常の体というのは、実はそこまで大食いをしなくて小食でもすむような状態にあります。これは食べ物を食べた時の消化器官の吸収率が高いことが理由です。

たまに外国のスポーツ選手の食事がSNSで投稿されているのがみられますが、一度の食事がシンプルで量がそこまで多くないことに驚くことがあるかもしれません。また、スポーツ選手の場合は、1日の食事の回数を増やして、栄養を取る回数増やしているのが今の主流の考え方です。1日の食事の回数に関してはここでは言及はしませんが、一度の食事でたくさんの量をお腹が張りちぎれるくらいまで食べてしまうと、消化にかかる負担が高まり、内臓の機能を低下させる恐れがあります。腹八分目という言葉もあるように、食事の量を多くとったからといって、それが全部吸収されエネルギーに変わるとは言い切れないところがあります。

食べ過ぎによって栄養不足になる可能性がある

シーズンオフに断食をしているスポーツ選手を見かけることもありますが、これはシーズン中に疲れや毒素がを溜めた体を内臓から休ませる目的として行われたりしています。常に食べ過ぎてしまうような人というのは、胃が異常に膨張していることもあり、断食というのは胃を休める作業でもあるので胃の大きさを正常に戻すことができることも考えられます。膨張した胃というのは、胃の筋肉が引き延ばされているので、収縮機能が低下し消化能力の低下が見られる可能性があります。

他の内臓に関しても過労してその働きが低下すると消化吸収能力が衰え、食べていてもうまく栄養を吸収できず、栄養不足になる恐れもあります。また、内臓機能が低下すると、排出するべき不用物の排出がうまくできず体にためてしまい、むくみや肌荒れなどの原因になることもあります。

食欲が沸かない、食欲不振でも栄養を撮らないとと無理して食べようとすることはいいことだとは言い切れません。このような体からのサインも体を守るサインである可能性もあるのです。食べたくならないのは、栄養素が足りている、もしくは、過食による疲労回復の要求、過労・不快・精神的ストレスなどによって生じた毒素排除要求、異常部修正のための休息要求、排出能力の回復要求。こうした要求は、生命の維持にはとても重要な警告であるため、健康維持には聞くべきことではあります。スポーツ選手にとっては食欲がなくても何か食べないと逆にストレスになったり不安を与えることもあるので、そのような時は、酵素が多くはいった食事や発酵食品など胃腸に優しい食べ物を食べることや時には消化酵素のサプリメントで補うこともあっていいと考えています。

また、食の文化が発展したことにより、化学物質の入った加工食品の増加によって栄養が取れず、食べても満腹感が得られずに過食となることもあります。そのため、なるべく食べるものの質には気をつけて行くことがしっかりと栄養が取れて、健康にもいい食事の取り方になります。

断食についての記事

小食ですませるための工夫

小食にすることで、胃の働きを少なくし、過労を減らすことになるので吸収率を下げることを防いでくれます。小食で体が十分だと感じるようにするためには、良質な食べ物をとる必要があります。良質な食べ物とは、化学物質に塗れた加工食品以外のことということではなく、人の体に必要な成分が入った食べ物、さらに言えば自分に適した食べ物、そして季節にあった食べ物、自然に育てられた質の良い食べ物などのことを指します。こうした良質の食べ物を取ることによって、満腹をすぐ感じることができ、食べ過ぎの防止につながります。

先ほど、化学物質の入った加工食品は食べても栄養価がないので満腹になりにくいということをお伝えしましたが、他にも加工された白砂糖を摂取することで、脳の満腹中枢を麻痺させてさらに甘いものを取りたくなるような体の異常なサインを発生するため、過食の原因になったりします。また、白砂糖だけでなく白米などの精製された穀物も本来の米の形である玄米と比較すると食物繊維やビタミン・ミネラルなどの含有量が少なく糖質の量が多くなるので、異常な食欲を増加させる可能性があることも考慮する必要があります。

食品の上手な組み合わせ方

どの食品にも、人間のように長所と短所があり、その組み合わせも合う合わないというのがあります。それぞれの良さを活かすためには、摂取する食品の組み合わせに工夫をこらすことが大切です。

1)動物性タンパク質
動物性タンパク質は栄養価が植物性のものと比べると高く、ビーガンなどが適さないスポーツ選手にとってとても大切な食べ物になります。この動物性タンパク質の吸収率を上げるためには、同時に植物性の食べ物を取ることがおすすめです。植物性の食べ物を一緒に取ることで、動物性タンパク質の消化、中和、排出がスムーズになり、栄養が増すだけでなく、中毒も防いでくれます。

2)動物性脂肪
動物性脂肪を摂取することで体内でコレステロールが作られます。このコレステロールは、悪者扱いされることが多いですが、実は血管や細胞の修復をを行う上でとても重要な成分になります。しかし、白米のようにブドウ糖が多い食品を多くとってしまうと、コレステロールが血中に多く放出され、動脈硬化を作りやすくします。そのため、動物性脂肪とブドウ糖が多く含まれたものを取る時には、酸化していない良質な植物性脂肪を一緒に取ることで、血管へのコレステロールの付着を防ぐ作用があります。

3)野菜
野菜にはカリウムとマグネシウムが多く含まれています。体内ではこのカリウムとマグネシウムよりもナトリウムとカルシウムが多い必要があり、バランスが崩れると神経の働きに異常が出るとされています。そのため、野菜を食べる時にはナトリウムとカルシウムが多く含まれている海藻や骨スープ、チーズ、塩を同時にとるいいとされています。

4)カルシウム
カルシウムは、日本人にとって最も欠乏しやすいミネラルであると言われることがあります。カルシウムには、神経の働きのコントロール、体積のバランス維持力、食菌力、粘膜保護力、血球の働き促進力などの働きがあり、カルシウムが不足すると骨が弱く血が濁り、成長を妨害する可能性があります。古来からの健康保持食品として有名なスッポンや朝鮮人参、松葉、クコ、海草などは、カルシウムをイオン化するビタミンが多く含まれていることから、カルシウムの含まれる食品と一緒に取るといいとされています。また、白砂糖と同時にとると吸収を妨げますが、自然の砂糖と同時にとると脳の栄養になりやすいとされています。

5)ヨウ素
ヨウ素とは、甲状腺ホルモンの原料で、成長発育、新陳代謝促進、脂肪燃焼促進などの働きがあります。ヨウ素は海藻に多く含まれています。そして、海藻に植物酢を加えることによって、このヨウ素の吸収率を高めてくれます。逆にヨウ素は塩分が強いものと同時にとると吸収を妨げる可能性があります。

6)白米
白米には、タンパク質、脂肪、ビタミンA, B, C, D, E, カルシウム、鉄などがほとんど含まれていません。ビタミンB群が不足すると体は酸化しやすく、肉類などでも体が酸化しやすくなります。そのため、白米の場合は、肉類よりも植物性タンパク質の食品か、魚類を多くとると体が酸化されにくくなるとされています。

7)砂糖
疲れている時には、甘いlのを取りたくなり、とった後は少し元気になった気分になります。しかし、その副反応として、血糖値やカルシウムが下がり、その後疲れがドッときます。その時には、チーズか果物、昆布などをかじれば回復します。また、糖質類を過剰にとると体内で脂質過多を作り、さらにタンパク質が不足すると体がむくんで冷え性になります。

8)化学物質が多く含まれた加工食品
化学物質が多く含まれた加工食品を多くとると、特にミネラルやビタミン不足になりがちになり、質の悪い糖質と脂質の過剰となります。そのため、このような食品を取る場合は、どこかでミネラル、ビタミンを多く含む食材をしっかりととって補って行く必要があります。ミネラル、ビタミン不足になってしまうと消化吸収をする消化酵素が働かなくなり、体内でホルモンを作れなくなるので、神経の働きも悪くなります。

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まとめ

食べ物の組み合わせ
今回は、正しい食事の取り方について、食べ過ぎが栄養不足になる可能性があること、小食ですませるための工夫について、そして食品の上手に組み合わせ方について書かせていただきました。

食べ物を食べただけ、消化吸収がされるというわけではなく、体の状態、もっと言えば内臓の状態が良いかどうかによって消化吸収がされるのかどうかというのが決まってきます。そのため、必要な栄養素をしっかりと取ることは大切なのですが、そのほかにも健康的に食事を取る方法について知っておくとより、効果的に良質な食事を取ることが可能になります。

食育というのはスポーツ選手にもスポーツをしていない一般の人すべての人にとても大切なことではあるので、今回は健康面からの視点でブログを書き、情報をシェアさせていただきました。

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