#131 子供の成長期に多いオスグットシュラッター病の原因と予防法

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オスグッドシュラッター病とは、成長期に起こる膝の前面の炎症を引き起こすものとされています。この炎症が起こる主な理由として、人が成長する過程での骨の成長が膝の前面についている大腿四頭筋の柔軟性変化よりも早く起こるため、この大腿四頭筋が膝の前の骨を引っ張りあげ、脛骨の軟骨にストレスを与えることで起こると言われています。大腿四頭筋がこの脛骨の軟骨を引っ張り上げるため、脛骨の前面が変形し出っぱってくることが見られます。

僕自身も成長期の時にサッカーをやっていて、このオスグッドシュラッター病によって膝の痛みを抱えていた時期がありました。立っている状態から地面に座るために膝を曲げるときに激しい痛みが起きたりしたため、地面に座るのが一苦労だったことを思い出します。また、サッカーのプレイ中にも多少の痛みを感じていたため、プレーに支障が出ていたこともありました。

当時は、自分の骨の成長が筋肉の柔軟性よりも早く起こったために引き起こしてしまった炎症だと思っていたのでしょうがないことだなと思って大腿四頭筋の柔軟性を上げるためのトレーニングを理学療法士の方のもとで行っていました。

しかし、自分自身が理学療法士になり体の知識をつけることで、このオスグッドシュラッター病はもしかしたら防げた怪我であるのではないかと思っています。

このようなことから、本記事では僕自身が今考えるオスグッドシュラッター病の原因と予防法をお伝えできればと思います。

目次

  1. オスグットシュラッター病になる3つの原因
    ・大腿直筋の柔軟性がない
    ・後方重心である
    ・股関節がうまく使えていない
  2. オスグットシュラッターを予防する3つの方法
    ・足関節と股関節の柔軟性を高める
    ・頭の位置を高く保つ
    ・スクワットを正しくできるようにする
  3. まとめ

1.オスグットシュラッター病になる3つの原因

細かいことを考えれば、オスグッドシュラッター病になる原因としては様々なことが挙げられますが、大きく分けて考えた場合に3つの原因を上げることができます。その3つの主な原因は以下の通りです。

大腿直筋の柔軟性がない
後方重心である
股関節がうまく使えていない

大腿直筋の柔軟性がない

大腿直筋の柔軟性がない
1つ目の原因として、大腿四頭筋の1つである大腿直筋の柔軟性が足りてないと言う事です。(大腿直筋が上記の図で確認ください。)これは上記でも説明した通り、骨の成長よりも筋肉の柔軟性の変化が遅いことで起こると考えられます。この大腿直筋と言う筋肉は膝関節の脛骨粗面から骨盤の上前腸骨棘(ASIS)と言う所まで付着しています。そのため、大腿直筋の柔軟性がないと言う事は膝の屈曲の柔軟性と股関節の伸展の柔軟性の両方がないことが言えます。

後方重心である

2つ目の原因として、普段の生活で常に後方重心であることが考えられます。この後方重心と言う意味は、立ったときに自分の体の重心が踵にある状態のことをいいます。ある1つの理論では、くるぶしの下のウナと言うポイントで立つことが推奨されていますが、このウナに重心を置いてしまうと他の関節を正しく使うことができなくなります。ほとんどの人の場合には、母指球に重心を置くことが必要になります。後方重心での生活をしていると骨盤が後傾しやすく上半身も丸まってきて、猫背になりやすくなります。この姿勢になることで太ももの前面の大腿四頭筋がより多く使われることになってしまい、大腿直筋の柔軟性を下げるだけでなく膝の前面にストレスを与えてしまいます。

股関節がうまく使えていない

3つ目の原因として、股関節がうまく使えてないことが挙げられます。これは後方重心が作る姿勢とも関係しています。なぜかというと、骨盤の後傾位や猫背のまま生活してしまうと股関節の周りの筋肉を十分に使うことなく、膝を中心に歩いたり、走ったり、しゃがんだりすることになってしまうからです。股関節をうまく使い膝に対しての負担を減らすためには、股関節まわりの筋肉をまんべんなく使うことが大切になります。そのためには、重心を母指球に置いた状態で、骨盤はやや前傾位であることが必要になります。また、胸郭がしっかりと開き、胸の中心が上前方のほうに持ち上がっている姿勢ができていることも大切になります。この姿勢が取れるためには、十分な胸郭の柔軟性も必要であります。

2.オスグットシュラッター病を予防する3つのポイント

今まで、オスグッドシュラッター病になる原因として主に3つの原因をあげてきました。そして、この原因から考えられる予防策としては、大腿直筋の柔軟性を向上させること、重心を母指球に置く癖をつけること、そして股関節全体の筋肉をまんべんなく使うことが挙げられます。この3つの予防策を行っていく上で、重要となるポイントがさらに3つあるのでお伝えしていきます。

足関節の柔軟性を高める

1つ目のポイントとして、大腿直筋の柔軟性を上げるために足関節の柔軟性を高めることがとても重要になります。普通であれば、大腿直筋の柔軟性を上げるためには、膝関節の屈曲や股関節の伸展に対してのストレッチを行うことが行われます。しかし、このストレッチだけでは大腿直筋の柔軟性を上げることが難しい場合があります。足関節の柔軟性の低下は、股関節の筋緊張とも関連していることがあるため、足関節の動く前方向の柔軟性を向上させることが大切になります。足関節よ柔軟性が向上することで股関節周りの筋肉の緊張が低下して、大腿直筋の柔軟性を上げるための股関節の状態を作ることができます。

頭の位置を高く保つ

2つ目のポイントとして、頭の位置を高く保つと言うことです。感覚としては、頭のてっぺんから真上に向かって糸のようなもので引っ張られてるように頭を持ち上げていきます。この感覚を持つことで、重心を高く保つことができ胸が開いた良い姿勢を保つことができるようになります。また、重要なポイントとして頭を持ち上げるときに肩が下がっていなければなりません。そのため同時に肩甲骨の柔軟性や胸郭、つまり肋骨の柔軟性がないと頭を高く持ち上げ肩が下がる姿勢を作ることができません。

スクワットを正しくできるようにする

3つ目のポイントとして、スクワットを正しくできるようにすることです。スクワットを正しくできるようにすることは、股関節を正しく使えるようにする事と同じ事でもあります。実際にスクワットをしてもらうとわかりますが、ほとんどの人の場合スクワットを何回かしていくと腿の前が疲れてきます。そして、スクワットの指導を受けたことがある人はスクワットを正しく行うポイントが少し理解できているため、太ももの前だけでなくお尻の筋肉もしっかりと使えている場合があります。しかし、スクワット時にお尻の筋肉が使えていることが股関節を正しく使えているというわけではないことに注意が必要です。股関節を正しく使うためには、スクワット時に股関節周りの筋肉をまんべんなく使うことが大切だと先ほどもお伝えしました。つまり、お尻を中心に使うわけではなく股関節周りの筋肉である内転筋群や外転筋群、外旋筋群なども使えていることがポイントになります。そして多くの人の場合スクワット時に内転筋群がうまく働かない人が多い傾向があります。そのため内転筋群を使う意識をより持つことが股関節をうまく使うためには必要になってくることです。スクワット時に内転筋群がうまく意識することができない人は、スクワットをする前に内転筋に刺激を入れられるようなエクササイズを取り入れることで意識しやすくすることができます。またスクワット時に骨盤を立てて膝を内側に股関節を内旋方向にもっていくことで内転筋群の意識が高めることができます。

3.まとめ

オスグッドシュラッター病
本記事ではオスグッドシュラッター病に対しての原因と予防法についてお伝えしてきました。
オスグッドシュラッター病になる原因としては、大腿四頭筋の1つである大腿直筋の柔軟性が低下していることが考えられますが、これ膝と腿の前をよく使うような動作学習をしてしまっていることと関連しています。

そのため、オスグッドシュラッター病に対しての予防法としては、大腿直筋の柔軟性を向上させるだけでなく、重心の位置を母指球に置いたり、足首を胸郭の柔軟性を向上させたり、頭の位置を高く保つ意識を持つことが大切になります。また、股関節の使い方をうまくすることで、膝への負担を減らすことが可能になります。

このオスグッドシュラッター病は僕自身も経験している怪我であるため、同じように悩んでいるスポーツをしている人に参考になってもらえれば幸いです。