#182 背中の痛みは内臓不調から?原因と対処法について
背中が痛くてつらいと感じたとき、多くの人が腰痛や筋肉疲労などが原因だと考えがちですが、背中の痛みは実は内臓の不調が原因であることもあります。内臓と背中の痛みの関係性は、意外と知られていないことが多く、ストレッチなどをしても一時的には良くなって、またハリや痛みが戻るような慢性的な症状を抱えている方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、内臓の不調からくる背中の痛みについて詳しく解説します。
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目次
- 背中の痛みと内臓の不調の関係性
- 内臓の不調が背中の痛みを引き起こす
- 一般的な内臓の不調を改善させる方法
- 胃を健康に保つことは、他の臓器も健康に保てる
- セラピスト目線で飲み過ぎ食べ過ぎによる内臓の不調を考える
- まとめ
背中の痛みと内臓の不調の関係性
背中の痛みと内臓の不調には、直接的な関係がある場合と間接的な関係がある場合があります。
直接的な関係としては、背中の筋肉や骨格の問題が内臓に影響を与えることがあります。たとえば、脊椎の歪みや圧迫が、胃や腸の動きを妨げることがあります。また、脊椎の神経が内臓にも分布しているため、脊椎の問題が内臓の神経にも影響を与えることがあります。
間接的な関係としては、内臓の不調が背中の痛みを引き起こすことがあります。たとえば、胃や腸の炎症が背中の痛みを引き起こすことがあります。また、内臓の疾患に伴って痛みを伴う筋肉の緊張や痙攣が起こることがあります。
このように、背中の痛みと内臓の不調は、直接的な関係や間接的な関係によって関連していることがあります。しかし、一概にすべての痛みが内臓の問題からくるわけではないため、症状がある場合は医師に相談することが大切です。
内臓の不調が背中の痛みを引き起こす
各内臓がどの場所の背中に痛みを引き起こす可能性があるかについては、次のような傾向があります。
上の図も同時に参考にしてみてください。
1. 心臓:心臓の問題は、胸部から左肩や左腕に放散する痛みを引き起こすことが一般的です。また、背中の上部にも痛みが現れることがあります。
2. 肺:肺の問題は、呼吸困難、咳、胸痛、背中の上部の痛みなどの症状を引き起こすことがあります。
3. 肝臓:肝臓の病気は、右上部の背中の痛みを引き起こすことがあります。また、腹部の痛みや腹部の膨満感、吐き気や嘔吐、黄疸などの症状も現れることがあります。
4. 胆嚢・胆管:胆嚢や胆管の問題は、右肩の痛み、右側の背中の痛み、腹部の痛み、吐き気や嘔吐、食欲不振などの症状を引き起こすことがあります。
5. 膵臓:膵臓の問題は、背中の左側や左肩の痛みを引き起こすことがあります。また、腹痛、吐き気や嘔吐、体重減少、糖尿病などの症状も現れることがあります。
6. 腎臓:腎臓の問題は、背中の下部や側部、腰の痛みを引き起こすことがあります。また、排尿の異常、血尿、腹痛、発熱などの症状も現れることがあります。
以上のように、内臓の病気は背中のさまざまな部位に痛みを引き起こすことがありますが、症状の出方は個人差があり、病気の種類や進行度合いによっても異なります。
一般的な内臓の不調を改善させる方法
内臓の不調を改善するためには、以下のような方法があります。
- 健康的な食生活を心がける:バランスの良い食事を摂ることが大切です。野菜や果物、根菜、全粒穀物、健康的な脂肪、たんぱく質をバランスよく摂取し、加工食品や高カロリーの食品は控えめにしましょう。
- 適度な運動を行う:運動不足は内臓の不調を引き起こすことがあるため、適度な運動を行うことが大切です。毎日30分ほどの有酸素運動を行い、筋力トレーニングも取り入れましょう。
- 適度な水分を摂る:水分不足は便秘や尿路感染症などの原因になるため、適度な水分を摂るようにしましょう。1日に2リットル程度の水を飲むのが目安です。
- ストレスを軽減する:ストレスは内臓に負担をかける原因のひとつです。ストレスを軽減するためには、趣味やリラックスできる時間を確保し、ストレスを解消する方法を見つけましょう。
- 十分な睡眠をとる:十分な睡眠は内臓の正常な機能に必要です。毎晩7~8時間の睡眠をとるようにしましょう。
- 禁煙や減酒を心がける:タバコやアルコールは内臓に悪影響を与えることがあるため、禁煙や減酒を心がけるようにしましょう。
これらの方法を実践することで、内臓の不調を改善し、健康な生活を送ることができます。
胃を健康に保つことは、他の臓器も健康に保てる
胃が健康になることは、体内の他の臓器にも良い影響を与えることがあります。以下は、その理由の一部です。
1. 栄養素の吸収が改善される:胃は、消化を通じて栄養素を吸収する役割を果たしています。健康な胃は、栄養素をより効率的に吸収することができ、それによって体内の他の臓器に必要な栄養素が適切に供給されます。
2. 免疫系の強化:胃は、消化管内の細菌やウイルスなどの病原体から体を守る免疫系を含んでいます。健康な胃は、この免疫系を強化し、体内の他の臓器を病原体から守る役割を果たします。
3. 炎症の軽減:胃が不健康な状態である場合、消化液の過剰な分泌や胃酸の逆流などが起こり、胃炎や胃潰瘍などの炎症が生じることがあります。これらの炎症は、体内の他の臓器にも影響を与える可能性があります。健康な胃は、これらの炎症を軽減することができ、他の臓器の健康にも貢献します。
4. ストレスの軽減:胃は、ストレスによる影響を受けやすい臓器の1つです。胃が不健康な状態である場合、ストレスによってさらに悪化することがあります。健康な胃は、ストレスを軽減することができ、他の臓器のストレスによる影響を軽減することができます。
以上のように、健康な胃は、栄養素の吸収、免疫系の強化、炎症の軽減、ストレスの軽減などによって、他の臓器の健康にも貢献することができます。
胃の不調を改善するためには、以下のような方法があります。
1. 食生活の改善:胃の不調は、不規則な食生活や過食、飲食物の過剰な刺激が原因になることがあります。胃腸にやさしい食事を心がけ、過剰な油や脂肪、刺激物やアルコールなどを控え、消化の良い食材を選ぶようにしましょう。また、食事の時間や量も調整することが大切です。
2. 運動の習慣化:適度な運動は胃腸の働きを活性化させ、胃の不調を改善する効果があります。有酸素運動やストレッチなど、軽めの運動を日常的に取り入れるようにしましょう。
3. ストレス管理:ストレスは胃腸に悪影響を与え、胃の不調を引き起こすことがあります。ストレスを軽減するためには、趣味やスポーツ、瞑想やヨガ、音楽など、自分に合ったリラックス方法を見つけ、定期的に実践するようにしましょう。
4. 水分の補給:胃腸の働きを助けるためには、適度な水分の補給が必要です。特に食事中は、少しずつ水分を取り入れるようにしましょう。ただし、食後すぐに大量の水分を摂るのは避けるようにしましょう。
5.
適度な休息
:睡眠不足は胃腸に負担をかけるため、十分な睡眠をとるようにしましょう。また、日中に疲れたときには、休憩を取ったり、リラックスした音楽を聴いたりするなど、適度な休息を取るようにしましょう。
6.
消化促進の方法
:胃の不調を改善するためには、消化を促進する方法も有効です。例えば、食事の前に生姜湯を飲んだり、食後に軽い散歩をしたりすると、消化を促進し、胃の負担を軽減することができます。
セラピスト目線で飲み過ぎ食べ過ぎを考える
飲み会や食事会でついつい飲み過ぎてしまい、背中や肩が凝ってしまったことはないでしょうか?
実は、食べ過ぎ飲み過ぎは背中のハリの原因の一つとなっています。
食べ過ぎや飲み過ぎによって、体内の水分量が増加し、身体がむくみます。また、胃や肝臓に負担がかかりその結果、背中や肩に疲労感やハリを感じることがあります。
私が担当したあるお客様は、飲み過ぎによって背中に強いハリを感じ、姿勢が崩れてしまっていました。背中の筋肉をほぐす施術を行ったところ、背中のハリが緩和され、姿勢も改善されました。また、同じような症状でお悩みの方も多く、背中のハリの解消方法として、セルフケアやストレッチを行うことをアドバイスしています。
また、根本的な原因である食べ過ぎや飲み過ぎをしないようにすることは必須です。そのためにも甘いものやアルコール類を控えるようにすることが大切です。
食べ過ぎや飲み過ぎによる背中のハリは、自宅で簡単にケアすることができます。セルフケアの方法として、温かいお風呂やシャワーを浴びて血行を促進する、ストレッチを行う、湿布や温かいタオルで温める、足湯をするなどがあります。また、セラピストによるマッサージやストレッチなどの施術も有効です。
飲み過ぎや食べ過ぎは、健康にも美容にも悪影響を与えることがありまので、是非気をつけてみましょう。
まとめ
背中の痛みは、運動不足や姿勢の悪さが原因であることが多いと思われがちですが、実は内臓の不調が原因であることもあります。内臓には、胃や腎臓、膵臓など、我々の体にとって不可欠な臓器があり、これらが調子悪くなると背中の痛みが現れることがあります。
例えば、胃が荒れると背中に痛みを感じることがあります。また、膵臓が炎症を起こすと、背中の上部に痛みが現れることがあります。腎臓が原因の場合は、腰のあたりから背中にかけて痛みが生じることがあります。
背中の痛みに加えて、吐き気や下痢、発熱などの症状がある場合は、内臓の不調が原因である可能性が高いため、早めに専門医に診てもらうことをおすすめします。
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