#133 スポーツにおけるインソールの役割と付き合い方
インソールとは、靴の中の中敷きのことで、クッションによる衝撃緩和や靴のフィット感の改善、扁平足や外反母趾の対策などに使われます。また、スポーツにおいては選手の動作分析をして、インソールを使って足の裏の構造を変化させることで動作を改善するアプローチを取ることがあります。
本記事では、スポーツにおけるインソールの役割と足の構造がなぜ崩れてしまうのか、そして、インソールの付き合い方についてを書かせていただきます。
- スポーツにおけるインソールの役割
- 足の構造が崩れる理由
- インソールとの付き合い方
- まとめ
スポーツにおけるインソールの役割
スポーツにおけるインソールの役割は、主に痛みや怪我のリスクとなりうる動作を分析して、その問題となる動作を改善するためのものです。また、サッカーなどでは靴の中で足がずれないようにスパイクに対してのフィット感を改善する役割もあります。
前者は、基本的に専門家に診てもらい、立ったときの足の裏の重心の位置や歩き方、走り方など分析してもらいます。そして、偏平足であったり外反母趾などの足の構造の崩れに対しても分析し、それらを総合してインソールが作られます。そのため、基本的にはオーダーメイドの作成になり、その人に合ったインソールを作ることになります。分析の仕方に関しては、機械を使って分析をすることや専門家の目視によって分析されることがあります。つまり、インソールのクオリティーは、その専門家の技量に左右される場合もあるということです。ですので、そのインソールがあなたに合えばいいですが、合わないことも正直あると言うことになります。
後者は、形が限られたスポーツ靴に対して足をフィットさせるためのインソールです。プロ選手であれば、スポーツ靴自体をオーダーメイドに注文して使う場合もあります。しかし、そのような場合でなければ、インソールを使って対応していきます。この場合は、足の形をとり、その足の形とスポーツ靴がうまくフィットするように分析され、インソールが作られます。必要に応じて、かかとの位置などにもクッションを入れて体に対しての衝撃が少ないように作られることもあります。
足の構造が崩れる理由
先程お伝えしたように、スポーツにおけるインソールの役割の1つは動作の改善です。これは足の構造の崩れが起きている場合に適応となります。代表例で言うと、偏平足や外反母趾などです。
ではなぜこのような足の構造の崩れが起きるかということを話していければと思います。
1つ目は、幅の狭い靴にあります。サッカーのようなスポーツ靴では、激しい動きの中で足が靴の中でずれないように狭い形で作られています。靴の幅が狭いと足を内側と外側から押し出し、外反母趾や、外反小趾、そして、横アーチを崩す原因になります。このような脚の崩れを予防するためには靴を履いた後など足のストレッチやマッサージなどのケアが必要になります。
2つ目は、スニーカーによる問題です。最近のスニーカーは、踵の部分がかなり厚底になっています。この踵部分の厚底は、走ったりする時などの体に対する衝撃を緩和するために作られているものです。しかし、この厚底にはデメリットの要素もあります。つま先部分よりも踵の部分が厚底によって高くなっていると、立った時に常につま先が踵よりも低い状態になります。つまり、足首が底屈位(つま先が下がっている状態)に固定されている状態です。この状態では、ふくらはぎから踵にかけての筋肉や腱が縮まってしまい、背屈の動き(爪先を上げる動き)が制限されてしまいます。背屈の動きが制限されると、重心を爪先の方に移動されることが難しくなり、後方重心となって骨盤の後傾や猫背などの問題を引き起こす可能性が出てきます。また、歩行時に背屈が制限されていると、背屈の動きを補うためにつま先を外側に開きガニ股の状態での歩行をしてしまいます。そうすると、股関節を正しく使えなくなったり、土踏まずを潰すような方向にストレスがかかる歩き方になったりします。これらのことで、最終的に扁平足になる可能性もあります。
3つ目は、裸足での生活が少なくなったことです。これは1つ目の問題と2つ目の問題に関連する事でもあります。先ほどは靴を履くことで足の構造が崩れるとお話ししましたが、それだけでなく足の細かな筋肉を使わないようになってしまいます。反対に、裸足で歩いたり走ったりすることは、足の細かな筋肉を十分に使うため、足の構造が崩れにくくなります。補足ではありますが、裸足で土や芝生などを歩くとアーシングと言って体にたまっている電磁波を地面に流すことができると言われています。体の健康面においても裸足で歩く事はとても大切になります。
電磁波の健康の賛否とアーシングで幸福度アップ法
電磁波の健康への影響がどのくらいあるのかということはいまだに議論されているところです。短期間お研究では、すぐに体に変化が出ないぶん、健康被害の影響は少ないとされることもあります。このことについて、治療かスポーツトレーナーの視点で書いていきます。同時に幸福度が上がる方法も公開してます。
インソールとの付き合い方
インソールだけに頼ってはいけない
インソールはあくまで補助的なサポートを足に対してするため、インソールをしてれば大丈夫と思う事は危険な部分でもあります。何が言いたいかと言うと、もし足の構造が崩れているのであれば、その根本的な足の構造の崩れをエクササイズなどによって改善していく必要があるということです。また、エクササイズよって足の構造を改善していく過程でインソールを使っている場合は、そのインストールが適切なインストールでなくなる可能性もあります。というのも少しでも足の構造が変われば、使っているインソールも改善した足の構造に対しての調整が必要になるからです。そのため、足の構造を改善するエクササイズをしている場合は、使っているインソールを定期的にチェックしてもらうことが大切になります。多くの場合、インソールを進める専門家は、足自体の構造の改善に対してのエクササイズを勧めることもなく、インソールを処方します。ですので、エクササイズは自主的に行っていくか、もしくはエクササイズのために別の専用家に見てもらう必要があります。インソールは単なる補助的なサポートであることを念頭においておく必要があります。
体の使い方を再学習する
足の構造が崩れると、運動連鎖により膝や股関節、骨盤そしてその上の関節も崩れていくことが起こります。そのため、インソールやエクササイズなどで足の構造を改善する場合には、同時に体の使い方を再学習していく必要があります。例えば、スクワットなどの動きに対して足の構造が崩れている人は、膝が内側に入ってしまったり
骨盤がしっかり立たずに後傾してしまったり、重心が踵に乗り後方重心になってしまったりすることがよく見られます。このような足以外の構造の崩れや動作の崩れを改善していく必要があります。
質の高い専門家に見てもらう
インソールといっても様々な種類のインソールがあり、専門家によってインソールを作る上での理論が違ったりします。そのため、本当に質の良いインソールを作る専門家を見つけていく必要があります。中には、お金儲けのためにインソールを作っているようなところもあるので気をつけなければなりません。
まとめ
今回は、スポーツにおけるインソールの役割と付き合い方をお伝えしてきました。また、足の構造がなぜ崩れていくのかと言うことに関してもお話ししてきました。
裸足での生活が仮にできるのであれば、足の構造の崩れが起こる事はほとんどないと考えられます。しかし現代社会では、裸足のでの生活はほぼ不可能であるため、それに対しての対応策を持っている必要があります。その対応策としては、インソールである場合もあれば、足に対するエクササイズでもあります。
これはどんなことに対しても言える考え方ではありますが、何か物に頼って便利な生活をすると、どこかでその代償を払うことになります。今回の件に関しては、厚底の靴やインソールがそれに当てはまることになります。
インソールに対しては否定しているわけではなく、ときにはとても重要なサポート用品でもあるので、適切な使い方をし、スポーツなどに生かしていくことがとても大切になります。