#42 ハムストリングスってどこでどんな作用?【適切なトレーニングの方法も紹介】

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ハムストリングスはスポーツに携わるトレーナーやスポーツ選手であれば一度は聞いたことのある筋肉名の一つではないかと思います。

スポーツにおいてもハムストリングスをいかにうまく使えるのかによってパフォーマンスが変わったりもするぐらい重要な筋肉です。

しかし、実際にハムストリングスといっても腿の裏側辺りにあるくらいしか把握していないのではないでしょうか?

アスリートにとってハムストリングスを鍛えたり、体を動かす時にどのようにハムストリングスに意識を向けるためには正確なハムストリングスの解剖学と基本的な作用を知っておくことで、より質の高いトレーニングを行えるとようになります。

また、トレーナーにとってもハムストリングスを正しく鍛えていくための促通法として本記事では紹介していきますので、知っておいて損はないかと思います。

他にも腸腰筋についてはこちらの記事を読んでみてください!

目次

  • ハムストリングスの解剖学
  • ハムストリングスの基本的な作用
  • 学術的に言われていないハムストリングスの促通法
  • まとめ

ハムストリングスの解剖学

ハムストリングスは実は以下の4つの筋肉から構成されています。

大腿二頭筋・長頭
大腿二頭筋・短頭
半膜様筋
半腱様筋

それではそれぞれの解剖学を見ていきましょう!

ハムストリングス
大腿二頭筋は名の通り、2つの頭に分かれている筋肉で、それを長頭と短頭と区別しています。ハムストリングスの中でも外側に位置する筋肉です。

大腿二頭筋・長頭

起始:坐骨結節 (半膜様筋と半腱様筋の共通の腱に接続)
停止:腓骨頭の外側面
支配神経:脛骨神経(L5-S2、もしくは S01-S03)

大腿二頭筋・短頭

起始:大腿骨粗面(大腿骨中部後面)
停止:腓骨頭の外側面
支配神経:総腓骨神経(S1-S2、もしくは S01-S03)

半膜・半腱様筋は名の通り、半分が膜で横びろく、もう一つは半分が腱で細長い筋肉です。ハムストリングスの中でも内側に位置します。

半膜様筋

起始:坐骨結節 (大腿二頭筋と半腱様筋の共通の腱に接続)
停止:脛骨の内側顆後面
支配神経:脛骨神経(L5-S2)

半腱様筋

起始:坐骨結節 (大腿二頭筋と半膜様筋の共通の腱に接続)
停止:脛骨粗面内側(鵞足付近)
支配神経:脛骨神経(L5-S2)

ハムストリングスの基本的な作用

基本的にハムストリングスは、股関節の伸展膝関節の屈曲の動きを作ります。

ハムストリングスを内側と外側に分けて考えると、外側の大腿二頭筋では、下腿の外旋作用があり、内側の半膜様筋・半腱様筋は下腿の内旋作用があります。

スポーツにおいてよくハムストリングスという言葉を聞きますが、それだけパフォーマンスにおいて重要な筋肉で、特に肉離れもしやすく癖になりやすい部位でもあります。

学術的に言われていないハムストリングスの促通法

ハムストリングスは、正しい体の使い方をしないとうまく機能する事ができません。一般的なハムストリングスの筋機能を改善するトレーニングとして、膝を中心位使ったレッグカールノルディックハムストリングスなどのエクササイズがあります。この様なエクササイズで筋刺激を入れて強くすることやハムストリングスの耐久性を上げることで怪我の予防を試みたりします。
しかし、この様なエクササイズでハムストリングスを強くしてもハムストリングスを実際に動きの中で最大限に使える様にすることは難しいと個人的な経験で考えています。

ハムストリングスを最大限に機能させるためには2つの重要なポイントがあります。

1つ目は内転筋群を同時に使うことです。
いくらハムストリングスをウエイトトレーニングなので鍛えても実際に歩いたり、走ったりした時に十分に機能していなければ意味がありません。ハムストリングスがうまく使えてない例では、腿の前の筋肉である大腿四頭筋や外側の筋肉である大腿筋膜張筋と呼ばれる筋肉が代わりに使われます。

例えば、階段を昇る時にはどこの体の部位が疲れやすいでしょうか?この時に腿の前と外側が疲れやすい人はハムストリングスをうまく機能させられていません。この使い方では、パフォーマンスは良くならずに膝や股関節の怪我のリスクを増やすてしまいます。

動作時にハムストリングスをうまく機能させるために必要なのが内転筋も同時に機能させることです。そしてこのためには、股関節に対する骨盤の位置関係、そして胸郭と股関節の位置関係がとても重要になってきます。歩いてる時に左足が地面につく瞬間の話をすると、左股関節に対して骨盤は左回旋(相対的に股関節の内旋)、挙上(股関節の内転)、軽度前傾(股関節軽度屈曲)の位置、そして股関節の真上に胸郭の中心が位置する事で内転筋がうまく機能してきます。そして内転筋がうまく機能することでハムストリングスも共同して働き始めます。
骨盤は左回旋

2つ目は多裂筋を同時に使うことです。
上記でお伝えした内転筋以外に多裂筋という骨盤の後ろ(寛骨と仙骨、下位腰椎の間あたり)にある筋肉がうまく機能しているかが重要になります。この多裂筋は、骨盤を安定させる働きがありハムストリングスが働きやすい状態を作ってくれます。
この多裂筋は腰痛があった場合に24時間以内に筋の委縮をしてしまうということも言われているため、腰痛持ちの人などはハムストリングスがうまく機能していない場合も多くあります。また、腰痛だけでなくハムストリングスも痛めてしまうリスクも抱えている事が言えます。
多裂筋をうまく機能させるためには、一般的に腹横筋という体幹部のコルセット筋と呼ばれる筋肉を同時に鍛えるといいと言われています。また、大臀筋もうまく使えると多裂筋も機能しやすくなるため股関節の使い方としてヒップヒンジをうまくできる様にすることも大切です。

内転筋や大臀筋を使ってトレーニングするための方法としてエクササイズ

大臀筋の筋収縮を活性化させるストレッチ

まとめ

本記事では基本的なハムストリングスの解剖学と作用、そして学術的に言われていないハムストリングスの促通法を紹介してきました。

ハムストリングスをうまく機能させるためには動作の中で、内転筋多裂筋を同時にうまく機能させる事がとても大切になります。もし、これができなければ骨盤が安定せずハムストリングスが十分働く事ができず、代償として腿の前や外側の筋肉をより多く使ってしまいます。この代償動作によって筋バランスが崩れ、パフォーマンスの低下怪我のリスクの増加にもつながってしまいます。

ハムストリングスは怪我をしやすい筋肉の一つでもあるので、上記の様なことを気をつけてうまく機能させる事がとても大事です。