#169 風邪の経過を良くする入浴・食事方法と過ごし方

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風邪を引いたとき、もしくは風邪を引きそうになった時に自然治癒力を高めて良くしていく方法というのが昔から言われているものがあります。

今回の記事ではその方法について、整体の親と言われている野口晴哉氏の野口整体の考え方を参考にいくつか紹介していきたいと思います。

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目次

  • 風邪を引いた時に入浴をする
  • 足湯の活用
  • 風邪を引いたときの食べ物
  • 風邪を引いたときの過ごし方
  • まとめ

風邪を引いた時に入浴をする

入浴
風邪を引いた時には、入浴を控えた方がいいと聞いたことがある人はいると思います。確かに風邪ひいた時に入浴すると悪くなることがあります。これは、入浴した後に体を冷やしてしまう場合に起こるとされています。昔であれば、風呂場周りが風通しがよく、お風呂上がりに寒い環境下にいることがあったことから、入浴すると悪化させてしまうと経験上で言われてきたことなのだと思います。しかし、入浴後に体を冷やさないようにしておくことで、悪くなるどころか逆に良くなっていきます。そのため、入浴後に体を冷やさないように気をつければ、風邪を引いた時こそ入浴するのがいいのです。

入浴というものの効果は、湯の温度で皮膚を刺激し、体の体温も高め、免疫力を高めてウイルスと戦える体をつくってくれます。風邪をひくとなぜ体温が高くなるのかは、『ウイルスに対して戦える体』を作るという体の反応として自然と起こっているからです。解熱剤などの体の体温を下げる薬を使ってしまうことは、高熱による体の怠さは消えても、ウイルスと戦えない体を作ってしまうので、逆効果です。

このような考えがある上で、入浴によって得られる体温を高める効果というのは風邪をよくしていくためにしっくりくる考えであるのではないでしょうか。実際に僕自身も風邪を引いた時にはお風呂に入り、風邪を長引かせずに良くできた経験があります。

先ほど述べたように、風邪を引いたときの入浴は、入浴後に体を冷やさないことが大切です。そのためにも2つのポイントがあるので、これから紹介していきます。

寝際に入浴をしない

よく温まって寝るというのがいいと言われることもありますが、寝ている時には体の温度を調整する機能が働きにくくなり、寝室が寒いと体が一度冷えてしまい、さらに体を冷やしてしまう恐れがあります。逆に寝室が暖かく入浴後にそのまま体が暖かい状態をキープできるのであれば、寝際に入浴をしても大丈夫です。

ぬるま湯に長くつからない

入浴時に大切なのは体をお湯で緊める事です。疲労している身体から疲労物質を取るという意味では、ぬるま湯に長く浸かることもいい場合はありますが、サッと緊めて、汗がドンドン出てくるように入浴します。正常の大人の緊まるという湯の温度は、42度が境で42度以下はぬるま湯にあたり、42度から45度で入浴するといいとされています。42度から44度のお湯が熱く感じるのは正常な感覚で、42度から44度ではぬるく45度以上でなければ熱くないと感じる人は、50、60歳以上の人でみられ、身体年齢的に老人の体であることが考えられます。

足湯の活用

42度から45度程度で快適なお湯であると感じることは正常な体の状態ですが、体に疲労が溜まったり、異常があったり、風邪を引きそうになったりすると、その快適温度が上がることがあります。また、入浴した後に体の部位によって赤くなったり赤くならなかったりとムラがある場合、特に片足だけが赤くならない時には風邪を引いていることが考えられます。風邪の症状がなくても風邪の発病前の状態です。そのため、お風呂から上がって足を見た時に片足が赤くなってなかったら、赤くなっていない足だけをもう一度お湯に突っ込みます。

通常のお湯の温度より1度、2度高めにして2分間赤くならない足を足湯として行うことが風邪の時の足湯の仕方です。もし、お風呂上がりに両足が赤くならなかったら、食べ過ぎや飲み過ぎなどの消化器系の異常がある場合があります。その場合にも両足を足湯で温めていくと消化器系を休ませることができます。

中には踝から先が赤くならない場合があり、その場合は喉の異常が考えられます。この場合にも先ほどと同様に赤くならない部位を足湯で温めます。

風邪を引いたときの食べ物

刺激物
風邪が治ったと思っても、体に部位に凝りがあったり、前屈み姿勢が治らなかったりした場合は、完全に風邪が治ってないことを意味します。風邪が治っていれば、体もすっきりとして凝りとかもなくなっています。これらの凝りや前屈み姿勢というのは、内臓の不調を表しているからです。内臓も元気であれば、風邪がしっかりと治ったとも言えるのです。

風邪を引いた時には胃腸に負担がかかりすぎないように食べ物の量を減らすといいとされています。そして、水分の多いものを食べ、刺激性の食べ物も多く取ります。病気になると刺激物はあまり良くないと考えられがちですが、風邪を引いた時には刺激が多い食べ物を取るといいとされています。刺激物が多いものとは、例えば生姜やニンニク、唐辛子、胡椒などで、胃袋が冷汗をかくくらい食べても良く、よくなる経過を早くします。

風邪を引いたときの過ごし方

風邪は、体に備わっている自然治癒力によって自然に良くなっていくもので、発熱することも治癒するための自然の体の反応です。人によっては、38度まで熱が上がる人もいれば39度、40度まで上がる人もいます。

熱が出たからといって慌てて冷やすことは、実は自然に治癒する過程に反しており、むしろ後頭部を40分間温めるのがいいとされています。そうすることで発汗して、風邪が抜けると一緒に熱が下がります。そして、熱が下がり始めると、普段の平温よりも少し下がってから平温に戻ります。

このように体温が経過していくのですが、この普段の平温よりも下がった時というのが風邪の急所になります。つまりこの時期に体を冷やしたり、激しい運動をしてしまうと二次的な体調不良を起こしてしまう恐れがあります。子供であれば熱が下がったからと言ってすぐに動き出してしまうかもしれませんが、この時期こそゆっくりと体を休める必要があります。

風邪を引いて熱がある時には、動いても食べ過ぎても心配なく、お風呂に入っても問題ありません。ほとんどの人は、熱があるときだけ慌てて薬を飲んだり安静にしたりしますが、実際に大切なのは平温以下になった時に心身を弛めて体をしっかりと休ませることなのです。

まとめ

風邪の効用
風邪を引いた時に経過をよくするための入浴・食事方法と過ごし方は以下の通りです。

  • 入浴後に体を冷やさないように気をつければ、風邪を引いた時こそ入浴するのがいい。
  • 入浴は、湯の温度で皮膚を刺激し、体の体温も高め、免疫力を高めてウイルスと戦える体をつくる。
  • 寝る前に入浴することは体が冷えやすくなるので、寝際に入浴をしない。
  • 風邪をひいた時の入浴時に大切なのは体を42度から45度のお湯で緊める事です。
  • 入浴した後に他の部位が赤いのに足が赤くなっていない場合は、体調が崩れていることが考えられ、その時は少し高い温度で足湯をすると経過が良くなります。
  • 風邪を引いた時には胃腸に負担がかかりすぎないように食べ物の量を減らし、水分の多いものを食べ、刺激性の食べ物も多く取ります。
  • 発熱した時は、後頭部を40分間温めるのがいいとされています。

最後にですが、通常の発熱の過程は、発熱した後に熱が下がり始め、その後に平温よりも少し下がり、平温に戻ります。この平温よりも少し下がる時期は風邪の急所であり、できる限り体を休ませて、無理をしないことが大切です。

参考書籍

風邪の効用 (著)野口晴哉 筑摩文庫