#118 日本とオランダでの鬱に対しての治療方針の違い

LIFE WORK/ TRAVELING

最近の社会的な問題でもある鬱に対しての日本の医療の対応が良くないことは、オランダの鬱と診断された人に対しての対処法との違いを聞けば理解していただけるかと思い、今回このような内容を書かせていただきました。

鬱の専門家でもない僕がいろいろと発言するのは間違っているかもしれませんが、一個人の意見としてよんでいただければと思います。

また、実際に身近な人が鬱と診断されてから、生活習慣を変えながら減薬していき、トータル3年で、病気がない生活に戻れた例を経験しているのでそちらもシェアさせていただきます。

目次

  • 日本とオランダでの鬱に対しての治療方針の違い
  • 減薬して鬱症状がなくなった人の一例
    – 服用していた薬と禁断症状
    – 鬱の薬の減薬について
  • 生活習慣を改善するポイント
  • 日本のドクターとの接し方
  • まとめ

日本とオランダでの鬱に対しての対処の違い

日本鬱と診断された人を友達の範囲内でも何人か知っているのですが、その人たちから鬱になってからの状態を聞くと、ドクターに処方してもらっている薬が鬱の症状がよくならなければ、日に日に増えていく傾向があることを知りました。もちろん、ドクターによって薬の処方の仕方は違いますが、大半のドクターは、患者さんが症状がよくならなかったり、少しでも悪くなれば、すぐに薬を処方する傾向にあります。これは、鬱だけの話だけではなく、他の病気でもそうだと思います。

しかし、ここで2つの問題があります。

一つ目は一般的にはドクターからは一切、生活習慣の改善を図るような指導がほとんどされていないということです。根本的に人が慢性的な病気になることは、生活習慣の乱れから来ていることが多いにもかかわらず、その生活習慣を変えずに薬でその病気の症状を抑えるようにしようとします。そのため、薬を生涯飲み続けなければならず、根本的な解決にはつながりません。これは、ドクターの処方の仕方だけに問題があるのではなく、患者自身も楽をしようとして生活習慣を見直さない人が多いこため、このようなニーズと供給があってしまっている状態でもあります。

二つ目の問題は、鬱の症状に関して薬の処方の仕方が加算方式ということです。初めは、鬱の症状に対してその症状を抑えられそうな薬と胃薬をセットに渡されますが、その後、少しでも違った症状が出てくれば、またその症状に愛想な薬を加えて処方されます。僕の学校の同級生で、合計4種類くらいの鬱の症状に対する薬と他の薬で、14錠を一回に飲んでいる人がしました。まさに薬漬けです。このことを知ってしまうと、本当に日本の薬の処方の仕方はおかしいなと思ってしまいます。

実際に、オランダでは鬱の症状に対してどのように処方していくか何人かの人に聞いたことがあるので、お伝えしていきます。

オランダの場合は、ある一定期間(例えば3ヶ月)をまず一つの薬で症状が改善されるか定期検診を踏まえて見ていきます。そしてその後、症状が改善されれば、少しずつその薬を減らしていきます。そして最終的に薬が必要ない状態まで持っていきます。また、その症状が改善されなければ、処方していた薬をやめて他の薬に切り替えて同じように、ある一定期間の経過を観察していきます。そして、鬱の症状が改善されるまでその人にあった薬を探していきます。

実際のオランダ人の友達でも昔鬱の症状を診断されたけど今は薬を使って治ったよ(今は薬使っていない)っていう人もいて、日本では薬を使って治ったよって人(薬を服用していて治ったと言っている人はいるかもしれない)を聞いたことがないので、初めは驚きでした。このようなことを聞くと、薬は100パーセント良くないというのではなく、その時々によって使い方が重要なんだなということを思います。

さてこの2つの国の薬の処方の違いについて、どう思われたでしょうか。

次に実際に僕の身近な人が鬱になった時の処方されてから、減薬して鬱症状がなくなった人の一例を紹介していきます。

減薬して鬱症状がなくなった人の一例

まず減薬をしていくためには生活習慣を改善していく必要があります。また鬱病で薬を服用している場合には必ずと言っていいほど、家族の助けが必要になります。そのためにも家族の鬱病に対しての知識・理解が絶対です。これがなくて一人で良くしようと思っても薬の副作用や禁断症状に悩まされるため、改善は難しいです。ここをまず理解してください。  

鬱病について、身近にいた人で生活習慣を変えたことで実際に改善された例を一つあげながら書いていきます。

鬱病と言われてから3年で減薬に成功し、薬を断ってから約2年後に薬の禁断症状である鬱症状をはじめ動機やイライラ感などがなくなった例です。鬱病の他に甲状腺機能低下症という診断をもらい低血圧もありましたが、これらもすべて薬無しで正常値に戻りました。

服用していた薬は以下の通りで多いときでは合計10錠近く服用していた時期もありました。

服用していた薬と禁断症状

ナチルジン:低血圧治療剤

リチオマール(ムードスタビライザー):躁病・躁うつ病の躁状態の薬
【禁断症状】
感情の波が強くなる。
リチウム中毒の副作用(手の震え、めまい、下痢、発熱、発汗、うとうと状態)
甲状腺機能低下
徐脈
緊張、抑うつ、睡眠障害
痴呆様症状、意識障害、ぼーっとする、意識が薄れる

ロフラゼブ酸エチル(ベンゾジアゼピン系:依存性が強い)
【禁断症状】
不安の増強、不眠、筋肉痛、頭痛、目の痛み、その他多種類の症状

エビリファイ(メジャートランキライザー:自傷率が低め)
【禁断症状】
統合失調症同様の症状(幻覚、妄想など)
錐体外路症状(パーキンソニズム、アカシジア、ジスキネジア、ジストニア)
糖尿病、体重増加、性欲低下、記憶障害、虫歯、歯周病、人格変化、退行
知的障害や老人の認知症のような症状

鬱の薬の減薬について

減薬の厳密な方法に関して、私はお医者さんではないのでここでは詳しくは書きません。知りたい方は、減薬の方法が載っている書籍が本屋さんやアマゾンを見ればありますので是非買って勉強してみてください。

減薬をするためには生活習慣を変えて、薬を増やそうと進めてくるお医者さんに対してどのように接していくのかがとても大切になってきます。そのため、これからどのように生活習慣を変え、お医者さんと接していくのかを僕の個人の考えとしてお伝えしていきます。

生活習慣の3つの改善は基本的に既に薬を服用している人が対象ですが、基本的な食事療法や運動は健康になるためには全て共通のことですので、鬱かもしれないと考えている人も参考にしてみてください。

生活習慣を改善するポイント

生活習慣を改善するポイント

食事

まず一番大事でもある食事の改善が必要になります。まず避けなければならない食べ物は砂糖を使った食べ物や質の悪い油・酸化した油、化学物質です。他にも細かく言えばありますが、最低限この3つの食べ物を避けてください。そして同時に積極的にとるべき食べ物は本物の納豆やキムチなどの発酵食品や質の良い肉、魚、オリーブオイルや菜種オイル、バターなどの質の良い油になります。また薬を服用しているため体をデトックスしなければなりません。そのためデトックス方法として玄米や天日塩を使ったり、ファスティングなども場合によっては効果を発揮します。必要に応じてサプリメントやハーブを使うこともお勧めしますが、ここ最近では質の悪いサプリメントやハーブがほとんどのため厳選した方が良いです。
現代の人は全体的に炭水化物のとりすぎでもあるので、パンや白米などを極力減らし、その代わりに玄米を食べたりすることも良いです。

運動

運動を行うことで血流や代謝を促進し、体を新しく作り替えてくれることを促進させます。また、正しく筋肉をつけることで姿勢も良くなり基礎代謝や体温を高め、免疫力もあがっていきます。ここで言う運動とは長時間走るというよりも自重で行う筋力トレーニングやサーキットトレーニングのことを言います。また、そのようなことが難しいと感じる場合は、太極拳やヨガ、ピラティスなどでも良いでしょう。運動を行う時間は朝起きた後が理想で、運動時間として最低10分、最高1時間くらいでもいいと私は思います。また運動によって汗をかくことで、汗と一緒に薬などの成分を体の外に出してくれ、禁断症状を低める効果も期待されます。また、サウナなどを利用して汗をながすことも良いとされています。汗をかく前後は、水分とミネラルの補給をしっかり行うことが大切です。

睡眠

睡眠は鬱病の人に対して非常に悩ましいこことだと思います。なかなか眠れないことも多々あるとは思いますが、そのようなときは寝れるときにしっかりと寝ることが大切です。また、夜はなるべく携帯、テレビなどの光をさけてください。LED電球などの刺激の強い光も眠れない原因にもなり得るので、使用自体を避ける必要があります。睡眠前や眠れないときには腹式呼吸を行うなどして自律神経を沈めるようにします。寝る前近くの運動は自律神経を活発化してしまうのであまりお勧めしていません。また温冷療法で自律神経の調節を行うのも一つの手です。

日本のドクターとの接し方

まず鬱なのかなと感じる人は、すぐに病院に行くのでなく自分が抱えているストレスを取り除いていく作業が必要になります。そのため、人間関係を変えたり職場を変えたり、生活習慣を改善したりするなどまずは病院にかかる前に改善できるところを見つめ直していく必要があります。それでも良くならない場合は、専門家にみてもらう必要はあると思います。ただ、なるべく薬を使わない良心的なドクターのもとで見てもらうことがとても大切です。

すでに薬を服用している人はなかなかその状況から変えるのは難しいのが現状です。そして、厄介なことに鬱の人が通院しているお医者さんに症状を毎回報告するのですが、症状が少しでも悪くなれば簡単に薬が追加されてしまいます。これは当時私がアドバイスを与えていた方もそうでした。そのため既に薬を服用している人は減薬したいということを始めから伝え、服用していない人は先ほど言ったようにまずストレスを減らすことから試みることが大切です。ストレスを減らすために一時的に仕事を辞めるのも手だとは思います。そんな簡単に仕事はやめられないから薬をもらおうと思っている人もいるかもしれませんが、ほとんんどの人が薬漬けになって副作用が強くて結局仕事ができなくなってしまうケースもたくさんあるので、そういうことだけは避けて欲しいなとも思います。どうしても行く必要がある人は使いたくないということをはっきりと伝える必要があります。また、休職手続きなどで診断書が必要な場合は薬をもらって飲まないようにすることも一つの手だと思っています。そのために正しい知識を持った家族の付き添いも必要になってきます。それでも理解してくれないお医者さんはセカンドオピニオンで変える必要がありますので、遠慮せず変えてみてください。

まとめ

日本の薬の処方の現状について理解していただくことはできたでしょうか。
個人的には、薬はあまり使いたくない人なのでもう7年くらいは薬を使ったことはないですが、いろいろな人の話を聞いていると必要に応じては薬はその人を助けるために必要なものであるということも理解できます。

しかし、日本の薬の処方状態を見てしまうと、簡単に薬を出しすぎているようにも思うので、そこについては気をつけていく必要があるのかなとは思います。日本だけでなく、インドネシアの国でも割と薬を簡単に処方してくれるというような話も聞いたことがあるので、もしかしたらアジア人の一つの特徴なのかなと思うこともありますが、その分より気をつけなければいけないなと思います。

鬱を良くしたい場合には必ずまわりの人にサポートを頼み、必ず断薬することが必要です。減薬は非常に難しく、麻薬と同じように禁断症状がでてくるため大変な作業です。減薬をしている最中は症状が必ず悪くなりますがこれは禁断症状の一つですので、また薬を増やすようなことは避けるべきだとは思っています。また、自殺などのリスクを同時に増えてしまいますので、減薬は本をしっかりと読んで勉強した上で、減薬専門のお医者さんもいますのでそちらに行かれることをお勧めしています。

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