#145 アスリートにとってオフ日が必要な理由
アスリートにとって、日々トレーニングをしてさらなるパフォーマンスの向上につなげていくことは、とても大切なことです。しかし、それと同じくらいに大事なのが、ハードなトレーニングの合間にしっかりとオフの日を作って次のトレーニングまでに準備をすることです。このオフ日によって、定期的に休暇を取ることで、心身ともに回復させることができます。反対にオフ日なしでは、体を進化させ続けることは難しいでしょう。
個人的な感想ですが、上の高いレベルに行けば行くほど、アスリートはオンオフのメリハリがすごく、うまく時間を使っている印象にあります。
トレーニングのしすぎやオフの日もスポーツのことばかり考えていると、オーバートレーニングや燃え尽き症候群につながる可能性もあるため、一旦スポーツのことから離れるオフの日をしっかりともうける勇気も必要になると思っています。
本記事では、アスリートにとってオフ日が必要な理由について話していきたいと思います。
目次
- オフ日を作ることの4つのメリット
- オフ日でのリカバリー方法
- オフ日が必要なサイン
- まとめ
オフ日を作ることの4つのメリット
定期的に休オフの日を取り、休むことのメリットを紹介していきます。
1.心身ともに十分に回復させる
心身ともに十分に回復させるというのはただ単純にソファーでゆっくりと過ごすことだけの意味を持っているわけではありません。激しいトレーニング実施した後の効果をより高めるためには、この休息の時間がとても重要になります。特に筋肉の成長には必要不可欠なことです。
トレーニングにより筋組織は通常微細の損傷を受けます。そして、トレーニング後にしっかりと休息を取ることで、線維芽細胞と呼ばれる細胞がそれを修復します。この過程は筋組織が損傷から回復して、さらに成長するのを助け、より強い筋肉を作り上げます。
また、筋肉はグリコーゲンというの形でエネルギー源の炭水化物を蓄えています。トレーニング中、人の体はグリコーゲンを分解してトレーニングに必要なエネルギーを供給します。そのため、休息を取ることで、次のトレーニングに向けてグリコーゲンのエネルギーを補充する時間を与てくれます。
また、休息中にしっかりとグリコーゲンを補給することで、トレーニング後の疲労感や倦怠感も和らげてくれる効果もあります。そのため、しっかりと栄養補給をすることがとても大切です。
2.怪我のリスクを軽減します
定期的にオフ日を作ることは、トレーニングを安全かつ効率的に遂行するために必要不可欠です。体が酷使され疲労が溜まると、体軸が崩れたり、体重の変化があったり、トレーニング中に間違ったフォームでトレーニングを積んでしまう可能性が高くなります。
また、オーバートレーニングは筋肉を過度なストレスと緊張にさらします。これにより、怪我のリスクが高まり、結果的に定期的にオフ日を作る場合よりも怪我を回復させるために多くのオフ日が必要になります。
3.パフォーマンスを向上させる
オフ日が不足して十分な休息が取れない場合、モチベーションをキープしてさらなる高みを目指してチャレンジをするためのルーチンを継続して行うことが難しくなります。
過度な疲労が溜まった状態で自分をプッシュしてトレーニングをしても、全体的なパフォーマンスを低下させてしまいます。運動パフォーマンスに関しても持久力の低下、反応時間の遅延、敏捷性の低下などが発生する可能性があります。
反対に、オフ日によってしっかりと休息を取ることで、体内にあるエネルギーを増加させ、疲労を防ぎ、より強くなるためのトレーニングに集中することができます。
4.睡眠の質を向上させる
定期的なトレーニングにより睡眠の質を改善することができますが、オフ日を取ることも同様の効果があります。
通常の身体活動は、コルチゾールやアドレナリンなどのエネルギー増強ホルモンを増加させます。しかし、過剰な身体活動により、これらのホルモンを過剰分泌させます。これらが過剰分泌することで、質の高い睡眠をとることが難しくなり、倦怠感と疲労感を悪化させ、悪循環を産んでしまいます。
オフ日による休息は、ホルモンを正常なバランスの取れた状態に戻すことができ、質の高い睡眠を得るのに役立ちます。
オフ日でのリカバリー方法
オフ日でのリカバリー方法は以下のことを考慮するといいとされています。
良質な食事と十分なタンパク質の摂取
オフ日は、トレーニング日と比べるとエネルギー消費量が少なくなるので、体が求める食事の量も自然と少なくなります。その身体状況によってリカバリーに必要な食事の量が変わってくるため、自分自身の体に耳を傾けて、何が食べたいのか、そしてどのくらいの量が必要なのかを判断することも大切になります。
タンパク質の摂取
また、オフ日でも十分なタンパク質を食べることはとても重要になります。適切なタンパク質の摂取は、休息中に必要な筋肉の修復をサポートします。
アスリートのような活発的な人の場合は、毎日体重1キログラムあたり1.2から2.0グラムのタンパク質を必要とします。タンパク質は一度に吸収できる量が決まっているため、一日全体のタンパク質摂取量を一度の食事に取るのではなく、分割して摂取した方がよりタンパク質を体内に吸収できます。
炭水化物の摂取
体何のグリコーゲンレベルを回復するために炭水化物の摂取が必要になります。活動のレベルによりますが、1日あたり体重1キログラムあたり3〜10グラムが必要になると言われています。
しかし、以前紹介したケトジェニックダイエットの場合は違った食事法になるので、注意が必要です。
» 参考:糖質制限・ケトジェニックダイエットと運動パフォーマンスについて
ビタミン、ミネラルの摂取
果物と野菜は、回復をサポートする健康的な炭水化物とビタミン、ミネラルが含まれた栄養素を取ることができます。
水分補給
トレーニングをしないオフ日でも、十分な水分を飲むことが大切になります。水分補給を続けることで、脱水症状や筋肉のけいれんを防ぎ、体全体に栄養素を届けることができます。
ヨガ
ヨガは、オフ日にできる最適なリカバリー方法の1つです。体に対する認識(内観)、呼吸、柔軟性を改善するのに役立ちます。また、筋肉を緩めながら体の循環も向上させて回復するサポートをしてくれます。
さらに、ヨガをすることで、精神的な落ち着きを取り戻すことができ、リフレッシュして次のトレーニングの準備をすることができます。ヨガの効果を得るためには長い時間を必要とせず、わずか10〜15分で、心身の回復に役立ちます。
軽いトレーニング
ヨガのように、負荷の低い運動はオフ日に最適なリカバリー方法です。軽い負荷のトレーニングは、体に過度のストレスをかけることなく、体の循環を改善し、筋肉を緩ますことができ心身ともに回復するのに役立ちます。よりリラックスした状態で楽しみながら行うとより効果的です。
軽いトレーニングの例は次のとおりです。
水泳
サイクリング
ダンス
ゴルフ
など
オフ日が必要なサイン
次に紹介すサインが生じた場合は、オフ日をしっかりと取って休憩する時間が必要である可能性があります。
- 過度な筋肉痛: トレーニング後に筋肉痛を感じるのは普通のことですが、何日も続くような筋肉が生じた場合は危険信号です。これは、過去に行ったトレーニングから筋肉が回復していないことを意味します。
- 倦怠感: 極度の疲労や倦怠感を感じる時は、オーバートレーニングになっている可能性があるので、体を十分休ませる必要があります。
- 疼痛: 治らない筋肉の痛みや関節の痛みは、オーバートレーニングによる怪我のサインである可能性があります。
感情的な変化: 燃え尽き症候群になると、セロトニンやコルチゾールなどのホルモンのバランスが崩れます。これは、心身ともに過敏になったり、不機嫌、気分のむらなどの変化を引き起こす可能性があります。 - 睡眠の問題: 高レベルのコルチゾールとアドレナリンは、質の高い睡眠をとることを困難にする可能性があります。
- パフォーマンスの低下: 通常行っている自身のルーチンを継続するのが難しいと感じた場合や動作のパフォーマンスが落ちたと感じた場合は、休憩を取る必要があるかもしれません。
まとめ
アスリートや一般の人でも、定期的な休息は非常に大切なことです。筋肉の修復、倦怠感の予防、および全体的なパフォーマンスに影響が出てきます。
オフ日を最大限に活かすためには、ヨガやウォーキングなどの負荷の少ない軽い運動を行うことが大切です。これらの運動は、心身をともに回復させながら、体の循環キープし続けるのを助けます。
反対に十分な休憩を取れないと、トレーニングの効果をマイナス的に働かさせてしまう可能性がおることに注意が必要です。そのため体をしっかりと休ませることは、運動パフォーマンスを上げるために欠かせないものです。