#121 緊張体質な体を変える方法
以前、サッカーのユースチームで働いていて、治療をしていた時に力を抜くことができない緊張体質な子供たちが多いことに気づきました。これは現代社会による弊害でもあるかもしれませんが、いろいろなストレスや不良姿勢によって体が緊張しやすくなっている可能性があるかもしれません。そして、緊張しやすい体を持った子に限って怪我をしやすかったりと言うことも実際に見られました。
また、個人的な選手指導の経験からわかったことなのですが、リラックスした状態でトレーニングするのと体に緊張があった状態でトレーニングするのとでは、使われる筋肉の種類自体が違ってきます。そして、この違いがパフォーマンスや怪我のリスクに影響することもあります。そのため、緊張体質である人はリラックスしやすい体を作ることがとても大切になります。
体が緊張体質の人は、ほとんどの人が姿勢の崩れを持っています。そのため、緊張体質から、緊張しない体質に変えるためにはまず良質な姿勢を持ち地面にしっかりと立てることがとても重要になります。もし地面にしっかりと立てることができるようになると、地面とつながる感覚を持つことができるようになります。そして、この感覚を持てるようになれば、体の緊張体質を直すためのスタートをきれたようなものです。
本記事では、この地面にしっかりと立って、地面とつながる感覚を持つことができるようになるためのヒントとして、いくつかのポイントを紹介していきます。また、地面とのつながりがある感覚を持つことができた後に、実際の緊張体質を変えていく一つの方法として、お伝えしていきます。
目次
- 地面と繋がる感覚を持つ
- コールドシャワー体の緊張体質を変える方法
- まとめ
地面と繋がる感覚を持つ
緊張しにくい体を作るためにはまず、地面とのつながりを作ることが大切になります。地面とのつながりを持つということは、足の裏の中心に体の重心がしっかりと乗っている状態のことを言います。そして、筋肉としては体の中心部に近い筋肉でしっかりと体全体を支えられている状態です。
地面とのつながりを作ることで、無駄な筋肉を使うことなく楽に立つことができるため無駄な緊張を体に持つことがなくなります。
人間は2足で地面に立ちますが、その立ち方や姿勢によって体に対しての負担や筋肉の使い方が変わってきます。例えば、後方重心であれば骨盤が後傾し背中も丸まりやすく、膝に対しての負担が大きかったり、肩のコリが強かったりする傾向にあります。このような場合は、足の裏の中心に体の重心がしっかりと乗っていないために起こります。そして、重心が足の裏から外れないようにするために体の中心に近い筋肉ではなく、体の外側に位置する筋肉で体全体を支えようとしてしまいます。この結果、その外側にある筋肉が常に緊張しているため、体全体の緊張も高まってしまいます。
実際にどのように地面とのつなが理がある感覚を持って立つことができるようになるのかを3つのポイントに絞って説明していきます。
足の裏の感覚を掴む
まずは足の裏の感覚というのが大切です。立つときに母指球、小指球、かかとの3点で立つイメージを持ちます。これはほとんどの人の場合、この3つの点で立つ事は難しく、できている人は多くありません。この足の裏の感覚を掴むポイントとして、後ほどお伝えする”股関節の捉え”というのがある程度できるようになる必要があります。そして、この股関節の捉えがあった状態であれば、足の裏に体の重心がしっかりとのるようになるため、足の裏の感覚を掴みやすくなります。そして、足裏にまんべんなく体重を乗せられるようになってから、膝を少し外側に回していくと、足の裏の母指球、小指球、かかとの3点で立つ感覚というのがよりはっきりしてきます。
股関節を捉える
“股関節の捉え”とは、立った状態の時に上半身の重みがしっかりと股関節の中心にのり、股関節周りの筋肉をまんべんなく使えている状態のことを言います。この股関節の捉えがあると、足の裏の感覚が掴めるようになるだけではなく、足首や膝に対して負担が減り、足や膝の怪我をしにくくなります。そして、股関節を中心に体を動かすことができるようになり、股関節自体の怪我も少なくなります。そして、先ほど述べたように立っている時の足裏の感覚を掴むためにもとても大切になります。
肩の力を抜く
肩の力を抜くと言うのは簡単なようでとても難しくなかなかできることではありません。しかしこの肩の力を抜くことで首周りの緊張が下がり、腕から胴体へのつながりをしっかりと保つことができるようになります。そしてこのつながりができることで上半身はより安定して、股関節の捉えや足の裏の感覚をより良くしていくことにもつながります。
また肩の力を抜くためには、力を抜くように意識することが大切ではなく、脇の下の筋肉である前鋸筋や広背筋の収縮がしっかりできることが大切になります。この2つの筋肉がしっかりと収縮できるようになると肩がしっかりと下がるようになり、肩の力を抜くことが簡単になります。
今回のこのブログではこの脇の下の筋肉を使えるようにするためにどのようにしてトレーニングすれば良いかは詳しくは述べませんが、このような方の力を抜けるようになるための大事なポイントがある事は覚えておいてください。
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なで肩を治すより、なで肩になった方がパフォーマンスが上がる理由
なで肩についてネットで調べてみると、肩が凝るとか姿勢が悪いとかそのような悪いイメージを持つ情報が多いことに気づきました。
しかし、僕的にはなで肩はその悪いイメージよりもいいイメージを持っています。しかもなで肩は一流選手の姿勢であることもよく観察すればわかる事でもあります。
他にも様々な注意するポイントはありますが、主にこの3つの”足の裏の感覚をつかむ”、”股関節を捉える”、”肩の力を抜く”、というのができるようになることによって地面とのつながりを持つ感覚を持つことができるようになります。
冒頭でも述べましたが、地面とのつながる感覚が持てることは、体の緊張体質を変えるためのスタート時点にたったようなものです。そのため、ここからは実際の緊張体質を変えていく一つの方法として、コードシャワーを使ったトレーニング法を紹介していきます。
コールドシャワーで体の緊張体質を変える方法
コールドシャワーでリラックスできるようになるためには、上記で述べた通り、地面とのつながりを持つ姿勢がまずできていることが大前提で、その姿勢の状態で、コールドシャワーをしていきます。
コールドシャワーとは単純に冷たい水を体に浴びせることです。本来であればこのような冷たい水を体に浴びさせると肩がすくみ、握りこぶしを作り体を緊張させてしまいます。しかしここではそのような姿勢をキープすることではなく、地面とのつながりを持った姿勢でこのコールドシャワーを浴びていきます。これは体の自然な反応に反しているように思われますが、外部からのストレスに対して体を反射的に反応させることではなく自分のコントロール下で外部からのストレスに影響されず体の姿勢をキープしていくことがとてもキーポイントになります。
僕自身も最近感じられるようになった感覚なのですが、地面とのつながりがある感覚での姿勢をキープするとコールドシャワーを浴びることで本来は冷たい感覚を持つのですが、体がリラックスして冷たい感覚ではなく少し暖かく気持ちいい感覚を持てるようになります。逆に体に緊張走らせてしまうとその暖かい感覚が冷たい感覚に変わりコールドシャワーの冷たさがもろに感じてしまいます。
そのため、体の緊張をコントロールできれば自分が感じている水の温度もコントロールできるということです。
この感覚を得るまでには、呼吸法もとても大切です。息を吐く時に地面と体全体のつながりを切らさないままリラックスさせていきます。
というのも息を吐く時には全身の体の緊張が抜けやすいからです。
まとめ
本記事では、地面とつながる感覚を持った姿勢をとることで体がリラックスできるための準備を作ることができることを説明してきました。そして、コールドシャワーを地面とつながる感覚を持った姿勢で行い、呼吸を使ってリラックスすることで外部からのストレスに動じず体が緊張しないようにトレーニングをすることができることもお伝えしてきました。
このコールドシャワーでは冷たいと言う外部からのストレスではありますが、このように冷たい水に対してのストレスを体の姿勢を変えないようにコントロールすることがで、体の緊張をコントロールすることが容易になります。
体をうまくコントロールすることができるようになれば、体を通して他の種類のストレスに対しても対処できるようになることが考えられます。例えば、精神的なストレスやプレッシャーが多くかかる場面などにも体を緊張させずにリラックスした状態で対処できるようになる可能性もあると考えられます。
ぜひ今回の記事を参考にしてストレスの多い現代社会を生き抜くために、そして楽に生き抜くためにトレーニングしてみて下さい。