#82 内転筋を鍛えて体幹を強くする方法
先日このようなツイートをしました。
【体幹を強くするための要素】
✔︎肩の細分化
✔︎骨盤の細分化
✔︎股関節の捉え
✔︎胸骨の意識
✔︎仙骨の意識
✔︎内転筋の意識これらができれば、体を思うように動かせるようになり、力を効率よく伝えられます。
もっと早くから知りたかった6つの要素。— 桑原秀和(Hide. Kuwabara)🇳🇱🇧🇪 (@HiddeKuwabara) May 11, 2020
そして、体幹を強くしスポーツパフォーマンスを上げるための一つの要素として『肩の細分化』と『骨盤の細分化』、『股関節の捉え方』、『胸骨の意識』、そして『仙骨の意識』が必要であるという記事を今まで書かせていただきました。
» 肩甲骨はがしが体幹を強くする理由
»【仙骨とはどこ? 仙骨の意識が高まることでの体幹への影響】を解説します
今回は、足の内側に位置する内転筋に着目して『内転筋の意識』ができるようになることでの体幹への影響について書いていきます。
目次
- 内転筋の構造
- 身体を中心に納める感覚
- 股関節の絞る意識
- 内転筋を使った歩行で体幹を使う
- 腕の内側へのねじり
- まとめ
内転筋の構造
内転筋とは、恥骨筋、長内転筋、薄筋、短内転筋、大内転筋から成り立っており、内転筋群と呼ばれることもあります。内転筋は大腿部の内側に位置し、股関節を内転させる働きがあり、人間が直立して2足歩行するために身体を支える主導筋の役割を果たしていると言われています。身体を楽に動かすために力まずに立つためには内転筋の意識が不可欠であると考えられます。また、足を上げる時や歩く時にも大腿四頭筋を使って身体を動かしているとすぐに疲れてしまいますが、この内転筋をうまく使うことで股関節の捉えがしっかりして地面に効率よく力を伝えることができます。
身体を中心軸に納める感覚
内転筋が使えているということは、身体の中心軸の感覚もとらえやすくなります。それは内転筋が脚の筋肉の中でも中心に近いところに位置しているからです。試しにランジのエクササイズのポジションを取って、この中心軸の感覚があるかどうかをチェックしてみてください。
中心軸の感覚といってもなんだかわからない人もいると思うので、ポイントだけお伝えします。そのポイントとは、ランジのポジションの時に、内転筋がしっかりと使えているかどうかです。もし内転筋が使えていない場合は大腿四頭筋を使っていて足がすぐ疲れてしまい、このランジポジションを1分や2分キープすることが難しくなります。
内転筋がうまく使えていれば、お尻の筋肉や下腹部の筋肉が刺激されているのを感じることができ、骨盤も立ってきます。そして、自分の身体の中心軸というのが明確に感じることができるようになります。このランジポジションでの中心軸の感覚は、骨盤の細分化、股関節の捉え、仙骨の意識、胸骨の意識と他の記事でも伝えたことができるようになれば、つかむことが簡単になります。
脚の捻る意識
内転筋を使い中心軸の感覚を捉えるためには、この大腿を内側に捻ることも大切になってきます。上記で挙げたランジポジションでもそうですし、スクワットポジションでもそうですが、つま先を内側に向けて大腿も内側に絞る意識をしながら行うと太腿の前はリラックスして内転筋、お尻の大臀筋、下腹部を使えるようになります。
また、骨の運動連鎖からも大腿骨を内側に捻ると骨盤が前傾し、仙骨の意識が高まることが考えられます。また、歩く時にもこの大腿を内側に捻る意識をしながら歩く練習をすると感覚を掴みやすくなります。しかし、つま先を内側に向けながら歩くとオカマと勘違いされたり、女性の場合でもスタイルが悪く見えるので、つま先はまっすぐ向けたまま内側に捻る意識をしていきます。
バレリーナの人を見ているとつま先を外側に向けて踊ったりしていますが、この内側に捻る意識がしっかりとあれば深部の筋肉や内転筋を使いながら脚を外側に向けて動かすことも可能になります。
内転筋を使った歩行で体幹を使う
脚を捻る意識によって内転筋を意識できるようになると歩くときにも内転筋を意識した方法をとることが可能になります。この内転筋を歩行時に意識できるようになることで、内転筋から体幹部の深部にある大腰筋まで連動していきます。そうすることで歩行時にも先ほど述べた体の中心軸というものが感じられるようになります。
前に以下のようにツイートもしましたが、この中心軸を感じながら歩けていることが腸腰筋歩行や大腰筋歩行ということもできます。
レベル1: 大腿四頭筋歩行
レベル2: 大臀筋歩行
レベル3: 腸腰筋歩行
レベル4: ?????一般的に言われてる病的な歩行ではなく、歩行の時に優位に働く筋名を示した歩行のレベル。
このレベルによって、内的な意識が全然違うし、運動した時の体の疲れ方が違う。
— 桑原秀和(Hide. Kuwabara)🇳🇱🇧🇪 (@HiddeKuwabara) January 15, 2021
長時間歩いて、体が疲れる人と体が整う人がいます。これの違いは大腰筋歩行ができているかが分かれ目になります。
一つの目安として、ふくらはぎや腿の外側が疲れる場合や浴衣を着て着崩れする場合は、大腰筋歩行ができていません。
大腰筋歩行ができないことは、現代病とも言えるかもしれません。
— 桑原秀和(Hide. Kuwabara)🇳🇱🇧🇪 (@HiddeKuwabara) May 18, 2021
この中心軸を感じられるには、他の要素として股関節の捉えと胸郭の柔軟性もとても大切になっていくので、冒頭で紹介した他のブログ記事も読んでみてください。
腕の内側へのねじり
脚を捻る意識と同様に腕を捻る意識も大切になってきます。これば内転筋とは直接関係がありませんが、脚から伝わる力を体幹を通して腕に伝える時にはこの捻る動きの一連の動作が必要になります。筋肉の構造上、腕を内側に捻ることは理にかなっていて、野球の投げる動作やテニスのラケットを振る動作などでより強い球を起こすにはこの捻りに動作が重要になります。またボクシングでも同じで、パンチを打つ時には腕に捻りの動作が入るとリーチの長さが長くなり優位に相手に向かうことができます。このリーチの長さとパンチ力は腕をねじったときの肩甲骨の可動域が大きければ大きいほど増していきます。ここで大事なのは、肩甲骨の動きとこの捻る動きがタイミングよく連動することで、これができ初めてリーチが長く力強いパンチを生み出すことができるのです。また、この捻る時に肩が上がってしますと体幹との連動が途切れてしまうため脇を締める意識も必要になります。
まとめ
- 内転筋の構造を知り、内転筋の意識を高めやすくする。
- 内転筋が使えてくると身体の中心軸が感じられるようになる。
- 内転筋そして中心軸の感覚をより高めるには大腿を捻る意識を高める。
- 歩行時に内転筋を意識できるようになると大腰筋まで連動しやすくなる。
- 脚の内側の捻り同様、腕の内側の捻りは体幹と腕をつなげる重要な役割を果たす。
内転筋の意識というのはあまりされたことがない人が多いいのかなと思いますが、これは非常に大切になります。中心軸が感じられることによって、体もより安定してきますので、体幹部の強化にもつながります。また、外側の筋肉ばっかりを使った怪我が起こりにくくなるので、怪我のリスクの予防にも関係してきます。
なかなか意識することは難しいことだと思いますが、日々チャレンジしてこの感覚をつかんでみてください。思っている以上に体を楽に動かすことができるようになります。